最近クレジットカードのポイント運用サービスが流行ってきており、そこまで数は多くないですが、証券会社やクレカ会社が関連サービスを提供し始めています。
ふと、こうした関連サービスを探していて気になったのが、似たような仕組みである航空会社の「マイルの投資サービス」はないのかということ。
旅行好きの方なら、航空券の購入やクレジットカードの利用で積極的に貯めたマイルが、貯めている間に投資で自動的に増加し、より早く特典航空券(マイルで買える航空券)に交換できたらお得ですよね。
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マイルの投資サービスの現状
で、結論を先に述べると、航空会社のマイルを投資に回して運用するサービスは、2019年1月時点においては存在しません。
同じようなポイントサービスなので同様のサービスはあるかなと思いましたが、まだ航空会社はこの領域まで開拓できていません。
勿論、クレジットカード等で貯めたポイントを投資で増やし、マイルに交換する等の方法は、dポイント投資や、楽天スーパーポイントが提供するサービスで可能ですが、交換レートが1:1の等価ではないため、減ってしまいます。
マイルを貯めたは良いものの、喫緊は飛行機に乗る予定はない、有効期限は近づいているが、交換したい商品が別にある訳でもない。何かしら温存できる手段はないか。
こうしたニーズは強くあるので、今後提供される可能性は大いにあります。
なお、少し観点を変えると、「マイル自体を増やすサービス」は存在しませんが、「資産運用でマイルが付与されるサービス」は存在します。
マイルが貯まる資産運用・金融サービス
マイルが貯まる運用サービスは、新規の口座開設に伴って付与されるものはいくつもありますが、継続的な積立や運用で付与されるサービスは、WealthNaviやTHEO、トラノコ等のロボアド投資になります。
対象マイル | JALマイル | ANAマイル |
WealthNavi | 口座開設・評価資産に応じて付与 | 口座開設・評価資産に応じて付与 |
THEO | 口座開設・評価資産に応じて付与 | – |
トラノコ | – | 口座開設・継続利用で付与 |
これらのサービスは、ご存知のようにAIや金融工学的手法を用いて設定したリターン・リスク水準に応じてお任せで運用してくれるサービスです。
JALマイルならWealthNaviとTHEO、ANAマイルならWealthNaviとトラノコがサービスの対象となっています。
それらについて、詳細な条件を確認してみます。
JALのマイルとANAのマイルどちらも貯めることができるのが、ロボアド投資の大手WealthNaviになります。
WealthNaviの付与条件を確認すると以下の通り。
マイル付与条件
対象マイル | JALマイル | ANAマイル |
マイル付与対象 | WealthNavi for JALの専用ページから口座を開設した場合 | WealthNavi for ANAの専用ページから口座を開設した場合 |
口座開設による付与 | 10万円以上入金して運用開始すると、200マイル付与 | 30万円以上入金して運用開始すると、300マイル付与 |
運用継続による付与 | 毎月運用資産残高1万円につき、0.5マイル付与 ※3ヵ月ごとにまとめて付与 | 四半期ごとの平均資産残高100万円以上につき、100マイル付与 ※年間上限200マイル |
WealthNaviで運用すると、JALマイル・ANAマイル口座の開設方法によってどちらかを手にすることができます。
対象となる方法は、公式サイトの提携サービス一覧からJALもしくはANAを選択して口座を開くだけです。
注意点は、WealthNaviでは一度口座を開設してしまうと、こうした提携サービスは受けられなくなるため、慎重に選びましょう。既に口座を開設してしまっている場合は、残念ながら対象外です。
解約→再度口座申し込みをすれば、マイルを得るサービスに切り替えられますが、年が変わらないと特定口座が選べませんので注意。
JALマイル・ANAマイルが選べますが、ポイントは予定している投資額です。ANAは付与の条件が厳しく、少ないです。
まず、ANAの場合は100万円以上運用しないと、ポイント付与の対象になりません。また、運用資産を100万円以上で預けて半年経過すると、ポイント付与の条件(年間200マイル)に達してしまい、それ以上は得られません。
しかも、WealthNavi for ANAは運用開始の最低投資額の縛りが30万円以上と、他のバージョンなら10万円なのに、これも厳しい。
一方、JALの場合、1万円以上運用すればポイントが付与され、年間の上限はありません。3,000万円以上運用すると付与率が低下しますので、それ未満であれば、ザクザクポイントを得ることができます。
ANAマイルにこだわりが無ければ、実質JAL一択です。
THEO
WealthNavi同様にロボアド投資で有名なTHEOも、JALと組んでマイル付与のサービスを設けています。
THEOのマイル付与条件は以下の通り。
マイル付与条件
対象マイル | JALマイル |
マイル付与対象 | TEHO+ JALの専用ページから口座を開設した場合 |
口座開設による付与 | 運用開始して、投資一任報酬が控除されると50マイル付与 |
運用継続による付与 | 毎月運用資産残高1万円につき、0.5マイル付与 |
リンク先のTHEO+JALの専用ページから開設すると、付与対象になります。
毎月口座残高1万円あたり0.5マイル付与されます。なお、何千万円も入れる人はそういないと思いますが、WealthNavi同様に3,000万円を超えた分は付与率が0.25に低下します。
THEOでマイルを得るポイント
THEOも同様に専用ページを設けており、このページ以外から口座開設をすると付与の対象になりません。
なお、既に普通の口座を開設してしまった場合でも、THEOの場合はTHEO+という各種金融機関や事業会社との協業サービスに切り替えることができます。
直接普通の口座開設をしてしまったのなら、切り替えないと損です。
個別に問い合わせを受けて対応しますので、 THEOの公式ページの「問い合わせ」から聞いてみましょう。
トラノコ
ロボアドの中でも口座のデータと連携して「おつり投資」という形で資金を運用してくれるトラノコ でも、ANAマイルを貯めることができます。
付与条件は以下の通り。
マイル付与条件
対象マイル | ANAマイル |
マイル付与対象 | ANAの専用ページから口座を開設した場合 |
口座開設による付与 | 運用開始して、12ヵ月経過(12回投資を実行)すると700マイル付与 |
運用継続による付与 | 運用継続で、5マイル付与 ※最初のマイル付与は、12ヵ月経過(12回投資を実行)後に行われ、それ以降は毎月 |
トラノコでは、口座開設及び運用継続に伴ってマイルが付与されます。こちらは、ANAに専用ページがあるので、そこから口座開設するようにしましょう。
トラノコでマイルを得るポイント
トラノコの場合は金額面の要件はないので、ひたすら少額を1年間投資すれば、少なくとも1年で760マイル得ることができます。
しかし、逆に1年は必ず投資する必要があり、途中で止めてしまうと付与されなくなります。この点に注意です。
また、1年投資経過後は、継続に伴って毎月5マイル付与されますが、これは投資残高は一切関係ありません。
マイルの観点だけみれば、投資額が100万円位以上となる場合、WealthNaviの方がANAマイルを多く得られます。一方、それ以下なら毎年60マイルは得られるトラノコに分があります。
本格的に貯められるのは、現状JALのマイルだけ
以上が資産運用によって航空会社のマイルを得られるサービスです。
いずれのサービスもそこまで付与率が良い訳ではありませんが、各社の投資サービスを気に入って投資している方は、ついでにマイルも貯められるので積極的に切り替えましょう。
ちなみに、ANAマイルは全般的に厳しく、投資額が大きくなるほどJALのマイル積み立てが有利です。
よほどの理由が無ければ、現状はJALのマイルが得られるWealthNaviかTHEO がおすすめ。ANAのマイルは現状投資金額に見合わないので、投資で無理に貯める必要性はありません。