ポイントを使って低コストで米国株式に投資できるクレジットカード、選択肢はあまりない件

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最近クレジットカードのポイントを使った運用サービスの提供が増えています。運用形態は色々ありますが、ざっと確認できるだけでもこれぐらいの数があります。

  • セゾンカード
  • インヴァストカード
  • 楽天カード
  • dカード
  • MATSUI SECURITIES CARD

クレジットカードのポイントは、還元率は気にしてしまうものの、いざ溜まったた何に使うか迷ってしまいませんでしょうか。

私はクレジットカードのポイントをあまり有効に活用できていないので、投資に回せるクレジットカードはないか探してみました。

ただし、そうしたポイントを投資に回せるサービスと言っても、インデックス投資派の私にとって以下の3点は譲れません。

  1. 還元率:平均(1.0%)以上で、クレジットカードとしての魅力がある
  2. 投資手段:米国株式、もしくは世界株で運用する
  3. コスト:できるだけ低く、馬鹿高いアクティブ投信などに投資しない

ポイント運用においても、できるだけ無駄にせず、低コストで米国株式に投資したい。

今回はこうした点を重点的に確認しました。

運用サービスが利用できるクレジットカードの簡易比較

クレジットカード名称基本還元率投資手段保有コスト
セゾンカード0.5%ETF(VOO)の価格に連動0.04%
インヴァストカード1.0%ETF(SPY)のCFDで運用0.90%
楽天カード1.0%運用サービスか米国株投信の買付に充当可0.16%
dカード1.0%アクティブ投信(世界株・世界国債)で運用0.40%
MATSUI SECURITIES CARD1.0%eMAXIS Slim先進国 で運用0.12%

私の基準(還元率・投資手段・保有コスト)に照らし合わせて許容できるラインを青字にしています。

この表だけなら、私的には使うべきクレジットカードは2種類しかありません。最も有望な選択肢は、楽天カードMATSUI SECURITIES CARDの2つです。

特に楽天カードは、投信購入の決済でもポイントが溜まるなど、投資に用いるクレジットカードとしては非常に優秀。

米国株式へのインデックス投資を考える時、多少のコストが乗っても、最も手っ取り早く、手軽に、何も気にせずできる投資手段は投資信託でしょう...

各サービスの概要について、以下で簡単に説明していきます。

セゾンカード:ETF・現物株に連動

クレディセゾンが発行するクレジットカードのポイントプログラム「永久不滅ポイント」では、サービスの一つに永久不滅ポイント運用サービスがあります。

このポイントの運用手段は、100ポイントずつ運用口座に移管し、現物株か投資信託に投資することができます。

現物株の場合は、実在する株のストックポイントという別のポイントに交換でき、実際の株価に連動します。主な対象株は以下の通り。

  • カルビー
  • 日清食品
  • ホンダ

1株相当の価値になれば、実際の株式に交換できます。

投資信託の場合は、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問の投資信託の基準価格に連動します。主な投信は以下の通り。

  • TOPIX
  • VOO(S&P500をトラックするETF)
  • MSV内外ETF資産配分ファンド(Hコース)※リスク15%程度
  • MSV内外ETF資産配分ファンド(Aコース)※リスク3%程度

このサービス自体の手数料はなく、米国株に投資する場合、VOOを選択すれば実質経費率も0.04%と安く投資できます。

注意点としては、このサービスはあくまでも投資信託の基準価格に連動するため、分配金がない投資手段であることに注意です。

また、永久不滅ポイントは基本的に0.5%還元なので、普通のクレジットカードと比べると、還元率がやや見劣りします。

インヴァストカード:ETFのCFDに投資

インヴァストカードは、インヴァスト証券が提供するクレジットカードで、このクレジットカードで貯めたポイントは、インヴァスト証券のサービス「マネーハッチ」で運用することができます。

マネーハッチとは簡単に言うと、インヴァスト証券が提供するトライオートというCFDの自動売買サービスです。

主な対象銘柄は以下の通り。比較的リスク性資産が多いですね。

  • SPY(S&P500にトラックするETF)
  • 日経225ETF
  • ACWI(MSCI All Country World指数にトラックするETF)
  • HYG(米ドル建ハイイールド社債指数にトラックするETF)

これらのETFのCFDを売買する訳ですが、CFDは分配金なども調整価格に織り込まれており、為替リスクが発生しないのもメリットです。

また、自動売買なのでバイ&ホールドよりも有利に働く可能性があります。

一方で、CFDの場合、保有に金利コストが発生します。具体的には0.90%+円Liborです。

円金利は世界でも相対的に低いとはいえ、全ての投資手段の中で最も長期で見た時のコストがかかります。

楽天カード:運用サービスor投資購入に充当

楽天でも楽天スーパーポイントを用いたポイント運用サービスがあります。

100ポイントずつ楽天投信投資顧問が運用する投信の基準価格に連動した運用を行うことができます。主な対象は以下の2つ。

  • 楽天・バンガード・バランスファンド(株式重視型)※株式7割
  • 楽天・バンガード・バランスファンド(債券重視型)※株式3割

これらは信託報酬が0.12%取られますが、これ以外のコストはかかりません。ただし、結局基準価格連動の投資の場合、分配金が考慮されないため、敢えて選ぶ必要性は低いです。

楽天スーパーポイントの場合、楽天証券のポイント投資サービスで実際の投信信託の購入価格に充当する方が、選択肢も多く分配金も得られます

現状最も低いコストで米国株式に投資できる楽天・全米株式インデックスファンドなら約0.17%で運用可能です。

また、楽天カードは、投資信託の決済金額にも楽天スーパーポイントが適用されるため、例えば3万円積み立てれば常に1.01倍(3万円300円)になるのでお得です。

dカード:投信の基準価格に連動

dカードを使うとdポイントがたまりますが、このdポイントを運用できるdポイント投資というサービスがあります。

dポイント投資では、THEOが運用する投信の基準価格に連動する2つのコースで運用することができます。主な対象は以下の通り。

  • アクティブコース:THEOの株式中心のファンドに80%、THEOの債券中心のファンドに20%投資
  • バランスコース: THEOの株式中心のファンドに45%、THEOの債券中心のファンドに55%投資

これ以外の選択肢はないため、dカードは米国株式のみに投資することはできず、バランス型運用必須になります。

なお、こちらも投信基準価格連動のため、分配金はなし。また、THEOの投信はいずれも信託報酬0.40%のアクティブ運用のため、比較的コストがかかります。

MATSUI SECURITES CARD:投信購入に充当

松井証券が2018年秋に発行開始したMTSUI SECURITIES CARDは、還元率1%で還元されたポイントを投資信託の購入に自動で充当できます。

自動で充当して積立を行うので、使い忘れもなくきっちり回せるのは良いですね。

実際に購入できる投資信託は以下の通り。

  • ひふみプラス(レオスキャピタルワークス)
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(三菱UFJ国際投信)
  • eMAXIS Slim バランス(三菱UFJ国際投信)

人気のアクティブ投信であるひふみプラスに加え、世界株及びバランス運用の投信が選べる点は、低コスト派にも配慮されておりGoodです。

このクレジットカードの場合、上述した他社のサービスとは異なり、楽天カードのように実際の投信を購入できるので、分配金もきちんと得られます

ただし、選択肢が3つしかないため、私のように米国株式のみに投資を行いたい場合でも、欧州や日本を含む世界株に投資しなければならない点に注意です。

ポイント投資では、連動型や保有コストに要注意

ざっと見てみると、コスト感覚に厳しい方の多い米国株のインデックス投資派にとっては、まだまだ効率的にポイント投資できるクレジットカードの選択肢は多くないことが分かりました。

クレジットカードのポイントはお金ではないので、どんぶり勘定で適当に考えてしまいそうですが、これも立派な金融資産の1つです。

普通の投資として考えた時、特に分配金効果の得られない投信基準価格連動型や、保有コストが過大にかかる投資は極力避けたいところです。

たかがポイントですが、これも立派な投資です。できるだけ賢い選択をしましょう。

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