今更ながらAmazon輸出に取り組み始めています。2019年と超絶遅い参入です。
さて、基本的に販売価格と仕入れ価格の差に販売に際してのコストを差っ引いてプラスになれば、仕入れの検討対象になります。
無在庫はもう飽和していることや、会社員をしながらの販売になるため、私はFBA(Fulfillment by Amazon)での販売を考えていますが、これがまた複雑で中々計算が難しい。
しかし、販売コストの多くを占めるこの手数料の構造は、正しく理解する必要があります。
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FBAの基本的な手数料構造
Amazon.comのFBAの手数料には、大きく分けて2つのFeeがかかります。発送や顧客対応のFulfillment Feeと、商品の保管コストであるStorage Fee に分けられます。
Fulfillment Fee
この手数料がややこしい。基本的には以下で算出できますが、区分けの仕方や、例外対応が多いです。
- 販売商品の大きさから、標準サイズ(Standard size)か超過サイズ(Oversize)のプロダクトのどちらに該当するか区分する
- 商品の重量に応じて、各区分の手数料を当てはめる
まず、販売を検討している商品のサイズがどの区分に当てはまるか計算します。
①商品サイズの特定
商品サイズ区分の上限
区分 | 重量 | 長辺 | 中間辺 | 短辺 | 長辺+周囲 |
標準(小型) | 12 oz | 15 inches | 12 inches | 0.75 inch | – |
標準(大型) | 20 lb | 18 inches | 14 inches | 8 inches | – |
超過(小型) | 70 lb | 60 inches | 30inches | – | 130 inches |
超過(中型) | 150 lb | 108 inches | – | – | 130 inches |
超過(大型) | 150 lb | 108 inches | – | – | 165 inches |
超過(特大) | 150 lb以上 | 108 inches以上 | – | – | 165 inches以上 |
区分を特定する時に使用するのが、重量・3辺の長さ・周囲です。なお、区分に用いられる単位は、米国で使用されているオンス(oz)・ポンド(lb)・インチ(inch)と日本人には馴染みのないものです。
手数料の計算時に認識している単位がcm・kgの場合、以下の換算を覚えておく必要があります。
- 16オンス=1ポンド=0.453592キログラム
- 1インチ=2.54センチメートル
商品の大きさは高さ・幅・奥行のうち、長い方から長辺・中間辺・短辺に当てはめて計算します。なお、周囲は中間辺と短辺を足して2倍にした長さです。
これらのサイズを小さい方から当てはめていき、1つでも各区分の上限を超過すれば次に大きな区分に当てはめ、全ての条件に収まるものが該当商品サイズです。
大型の商品の区分のうち、特大サイズには注意が必要です。上記の表の区分とは別に、容積重量の要件があります。商品の重量が150lbを下回っていても、容積重量が通常の商品重量以上の場合は、そちらを基準に商品区分を当てはめます。
なお、容積重量は以下の式で算出します。※全て単位はインチ。
- 容積重量:長辺 × 中間辺 × 短辺 ÷ 139
②該当区分に応じた手数料の適用
さて、ここでやっと手数料の計算が行えるようになる訳ですが、その前にまだやることがあります。それは積込重量の計算です。
実際に手数料が適用される重量は、商品の重量ではなく梱包後の積込重量に対して課される訳なのですが、これがまた面倒です。
積込重量の計算方法
商品サイズ | 梱包材重量 | 算出方法 |
標準区分のうち1ポンド以下 | 4オンス | (商品重量+梱包材重量)をオンス単位で切り上げ |
標準区分のうち1ポンド超 | 4オンス | (商品重量と容積重量のうち大きい方+梱包材重量)をオンス単位で切り上げ |
超過区分 | 1ポンド | (商品重量と容積重量のうち大きい方+梱包材重量 )をポンド単位で切り上げ |
超過区分のうち特大サイズ | 1ポンド | (商品重量+梱包材重量)をポンド単位で切り上げ |
はぁ・・・ややこしい。この積込重量は基本的に商品重量に梱包材の重量を足して算出します。ただし、小数点以下については、標準区分はオンス単位、超過区分はポンド単位で切り上げます。
例えば、標準区分の商品で、14.5オンスの積込重量となった場合は、15オンスが積込重量になる訳です。一方、超過区分のケースで15.2ポンドとなった場合、16ポンドが積込重量です。
また、1ポンド以上の標準区分商品と特大を除く超過区分の商品は、容積重量も参照する必要があり、商品重量以上に容積重量が大きい場合は、そちらを基に積込重量が算出されます。
ここで算出された積込重量を用いて、以下のテーブルに当てはめればFulfillment Feeの算出ができます。
適用手数料のテーブル(2019年)
サイズ | 手数料 |
標準(小型)10オンス以下 | $2.41 |
標準(小型)1ポンド以下 | $2.48 |
標準(大型)10オンス以下 | $3.19 |
標準(大型)1ポンド以下 | $3.28 |
標準(大型)2ポンド以下 | $4.76 |
標準(大型)3ポンド以下 | $5.26 |
標準(大型)21ポンド以下 | $5.26 + 4ポンド目から1ポンドごとに$0.38 |
超過(小型)71ポンド以下 | $8.26 + 3ポンド目から1ポンドごとに$0.38 |
超過(中型)151ポンド以下 | $9.79 + 3ポンド目から1ポンドごとに$0.39 |
超過(大型)151ポンド以下 | $75.78 + 91ポンド目から1ポンドごとに$0.79 |
超過(特大) | $137.32 + 91ポンド目から1ポンドごとに$0.91 |
Storage Fee
こちらの保管手数料の方がまだシンプルです。
適用手数料のテーブル(2019年)
期間 | 標準サイズ | 超過サイズ |
1月 – 9月 | $0.99/1立方フィート | $0.78/1立方フィート |
10月 – 12月 | $3.63/1立方フィート | $2.43/1立方フィート |
やはりホリデーシーズンには荷物の預け入れも多くなるためか、手数料はかなり割高になります。商品の立方フィートは、以下で算出できます。
- 商品の立方フィート:長辺 × 中間辺 × 短辺 ÷ 1728
なお、超過サイズよりも場所を取らない標準サイズの方がコストが高いのは、小型の商品の方が保管に棚を組んだり、容器を用意する手間がかかるためです。
シミュレーターはあるが大量の計算には向かない
これら以外にも、長期保管手数料や危険物の専用の手数料テーブルがありますが、基本的には上記を把握していれば十分と思います。
これだけ複雑なため、多くの方はツールで算出されるFBA手数料で計算したり、Amazonの用意するシミュレーターで計算しているでしょうが、大きさの登録がないものは自分で算出する必要があります。
シミュレーターは複数の商品を一括して計算できるようになってはいないため、都度入力する必要があり面倒です。
Excel等で管理する場合は、上記の判別式をユーザー定義関数として組んでおけば楽です。とりあえず私はそうしましたが、疲れた・・・。