Citibank(シティバンク)から切り替わったPRESTIA、その違いと口座維持手数料を無料する方法はコレ!

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今はもう古いニュースとなってしまいましたが、2014年に外貨投資や海外旅行に便利だったCiti Bank(以下、シティバンク)銀行が日本におけるリテール業務から撤退しました

「シティバンク 口座開設」でこの記事へ流入される方が多いですが、結論を先に述べると、現状日本ではシティバンクの口座開設はできません。残念です。

ただし、そんなシティバンクの事業ですが、リテール事業はSMBC信託銀行に事業譲渡されPRESTIAというブランドネームに、Diners Clubのクレジットカード事業は三井住友信託銀行に事業譲渡されました。

つまり、PRESTIAを利用することで、シティバンクの一部サービスが継続利用できるようになっています。

この事業譲渡によって、リテール事業(PERSTIA)は何が変わって何が変わらないのか?口座の仕組みや口座維持手数料を無料にする方法、利用がおすすめできる方、等についても併せて言及します。

シティバンク時代からの主な変更点

まず、シティバンク時代からのユーザーに対する影響としては、主に以下のような変更点があります。大して違いはないですが、一応確認します。

1.商品名の改称

当然ながらシティバンクから事業が譲渡されたため、シティバンクで取り扱っていたサービスや商品の名称が変更になっています。

2.銀行コードの変更

事業主体が変更になったため、送金時などには旧銀行コードの0401ではなく、新コードの0300に変更する必要があります。また、海外からの送金に要するSWIFTコードも新しくSMTCJPJTを指定します。

3.お知らせやオンラインステートメントの配信元アドレスの変更

以前はciti.com、japan.citi.comからお知らせが来ていましたが、現在は smbctb.co.jp からになります。受信制限を設定されている方は注意。

4.口座開設書類の様式が変更

旧行時代の口座開設書類を送付しても受付できません。以前の口座開設キットを放ったらかしにしている人は、新しい書類の請求が必要です。

5.三井住友銀行でのATM手数料が無料or割引

SMBC信託銀行はSMBCフィナンシャルグループです。同系列の三井住友銀行のATMでの現金引出手数料が優遇されています。

  • 平日:無料
  • 休日 or 時間外:105円

シティバンク時代から維持された点

1.日本各地の本支店や営業時間

各拠点や営業担当者はシティバンクから引き継ぎです。また、取引支店や口座番号もそのまま引き継がれています。(但し、上記にもあるように銀行コードは変更になっています。)

2.米国でのキャッシュカード・バンキングカードの利用

以下の「米ドル決済専用外貨キャッシュカード」であれば、従前と変わらず米国のATMで米ドルの引出が可能です。

プレスティア外貨キャッシュカードの特徴

  • PERSTIAの米ドル普通預金口座の米ドルを直接引き出し可能
  • 米ドル預金を直接引き出すため、為替手数料なし
  • 日本のATMでは使用不可、米国のATMでのみ使用可能

円預金口座のバンキングカード」でも、提携ATMであれば現地通貨で引き出すことが可能です。

円預金バンキングカードの特徴

  • 日本に限らず、世界200ヶ国で国際キャッシュカードとして利用可能
  • 円の普通預金口座から現地通貨で引き出し可能
  • 現地通貨での引き出しは、VISAの基準レート+3.0%の手数料

ちなみに、提携ATMは下記のマークがあるもので、大抵のATMで見かけると思います。

WS000017
提携ATMのマーク

こういった海外でのキャッシュの取り扱いに強みを持つのは、シティバンクを引き継いだPRESTIA利用のメリットの1つと言えます。

3.海外送金受取りのリフティングチャージ・被仕向送金手数料無料

シティバンク時代と同様ですが、マルチマネー口座を利用すると外貨を受け取る際の「リフティングチャージ」や海外からの送金に伴う「被仕向送金手数料」が無料です。

海外のFX会社を利用していたり、国外と頻繁にお金のやり取りする方にはありがたいですね(※送金元によっては別途中継銀行の手数料がかかる場合があります。

SMBC信託銀行のPRESTIAの基本的な仕組みや、使い勝手のおさらい

さて、現状シティバンクから大きくは変わっていないPRESTIAですが、今後新しく利用する方のために、邦銀と違って少しややこしい仕組みを簡単におさらいしておきます。

PRESTIAで開設できる銀行口座のタイプ

SMBC信託銀行 PRESTIAに口座を開設するにあたって、個人が保有できる口座の種類を確認します。

円貨普通預金口座

  • 円貨で元本の預入、引出をする普通預金口座
  • 1,000万円までの元本+利息が預金保険の対象
  • PRESTIAでの取扱通貨の外貨宅配サービスが利用できます
  • 前述の通り、200か国以上の国のATMで現地通貨で引き出し可能

こちらの口座の利用用途は、米ドル口座やマルチマネー口座へ入出金する際の入口です。この口座からは国内外のATMで自由に入出金できます。

預金保険の対象なので、投資などに回していない預金は極力この口座に残しておくと良いでしょう。

米ドル普通預金口座

  • 米ドルで元本の預入、引出をする普通預金口座
  • 預金保険の対象外です
  • 米国内であればドル口座用の専用キャッシュカードでATMから米ドルの引出が可能(為替手数料無し)
  • 専用キャッシュカードは日本国内のATMでは利用できません
  • 米ドルであれば外貨宅配が利用可能

米ドル普通預金口座の用途は、例えば、ビジネスや旅行で米国本土やハワイに出かける人が現地ATMで自由に入出金するための口座です。

専用キャッシュカードがあり、米ドルのまま現地ATMで自由に入出金できます。

円貨普通預金口座のキャッシュカードも同様に米国内で使用できますが、こちらは引き出す度に為替手数がかかります。一方、米ドル口座は当然かかりません。

預金保険の対象外ですので、米国に訪問した際にチップなどでいつでも現金を引き出せるように少額を入れておく、旅行で余った現金等を入れて置く等、一時的な利用がメインと考えられます。

マルチマネー口座

  • 円貨のほか、米ドル、ユーロ、豪ドル、カナダドル、NZドル、ノルウェークローネ、香港ドル、スイスフラン、南アランド、英ポンド、タイバーツの預入が可能です
  • 円普通預金口座及び米ドル普通預金口座からの振替は無料
  • キャッシュカードの発行なく、現金をATMから引き出す場合は、円・米ドル普通預金口座に振り替える必要です
  • 円貨で保有していれば預金保険の対象ですが、外貨の場合対象外です
  • 投資信託や債券、保険などに振替可能
  • 被仕向け手数料無料で海外送金の受取が安価

主に資産運用のための資金滞留や様々な外貨を取り扱うための口座です。

海外のFX会社を利用する人は、安価に海外からの送金を受け取るための口座が必要ですが、そういった受け口として使えます。

PRESTIAのマルチマネー口座は、様々な外貨に対応し、被仕向送金手数料・リフティングチャージが無料ですので、そういった海外からの送金を行う機会が多い人は、持っておいて損はないです。

口座を維持するための手数料

日本では銀行口座を持つのに手数料なんてかかりませんが、海外では銀行口座の維持に手数料がかかります。

SMBC信託銀行のPRESTIAも、元外銀らしく口座維持手数料のシステムが残っています。

通常PRESTIAでは、口座維持手数料として毎月第2営業日に2,000円支払わなければいけませが、下記の条件を満たすことで口座維持手数料が無料になります。

口座維持手数料を無料にするための基準

  • 前月の月間平均総取引残高の外貨部分が20万円相当額以上
  • 前月の月間平均総取引残高が50万円相当額以上
  • 前月末時点で住宅ローン(不動産担保ローンを含む)またはプレスティア パーソナルローン(無担保)のお借入れがあること
  • 前月のプレスティア アドバンスマネーまたはカードローンの月間平均借入残高が4円以上
  • 前月25日(25日が土・日・祝休日の場合は前営業日)時点でSMBC信託銀行の提携クレジットカードorプリペイドカードの会員である場合
  • 一定の外貨積立が行われている場合
  • プレスティア円普通預金口座eセービングを新規口座としてご開設いただいていた場合(円普通預金口座に追加して、プレスティアeセービングをご開設された場合は該当しません。)

簡単にいうと、「前月時点で円貨資産で50万円以上の残高か、外貨資産で20万円以上の残高、もしくは借入やクレジットカードの会員なら無料だよ」、ということです。

正直借入やクレジットカードの類は、あまり利用する人がいないと思いますので、知る必要はないです。

ポイントは円貨資産残高か外貨資産残高です。ちなみにこれは、月間平均残高なので、日々の時価ぶれを考慮した平均残高が上記基準を上回る必要があります。

対象となる資産を把握しておきましょう。

カウント対象となる資

円建資産

  • 円貨普通預金
  • マルチマネー口座円貨普通預金
  • マルチマネー口座円貨定期預金
  • 円建仕組み預金
  • 円貨ローン借入残高の25%
  • 円建債券

外貨建資産

  • 米ドル普通預金口座
  • マルチマネー口座外貨普通預金
  • マルチマネー口座外貨定期預金
  • 外貨建仕組み預金
  • 外貨建ローン借り入れ残高の25%
  • 外貨建債券

保険商品

これらを組み合わせた円貨残高が50万円以上、または外貨建部分が20万円相当以上であればOKです。安く済ませるなら、米ドル普通預金などが一番安価です

結局、PRESTIAはどんな人・どんな用途におすすめなのか?

色々と書きましたが、旧シティバンクのPRESTIA、いったいどんな人が口座を持っておくと有益なのでしょうか。

私が考えるに、以下の3点どれかに該当する人は口座を持っておいて損はないです。

1.いつものキャッシュカードで海外のATMから自由にお金を引き出したい人

SMBC信託銀行のPRESTIAは旧シティバンクの事業を受け継いでおり、やはり外貨の扱いや、国際取引に長けているのが特長です。

その利点の1つに、いつものキャッシュカードで、海外のATMから自由にお金を引き出せる点が挙げられます。

海外に行く時には、外貨両替やFXを使って安価に済ませる人も多いかと思いますが、究極的に楽なのはいつものキャシュカードで自分の預金口座から外貨が引き出せること

多少手数料などがかかっても、気にせず・楽に外貨を海外で手に入れたい人には、PRESTIAのキャシュカードは海外でも普通に使える国際キャッシュカードですので、快適に使用できます。

2.海外FXや海外転売などで海外からの送金受け取りが多い人

最近は、副業で海外のFX会社で儲けたり、海外せどりで外国から国内に送金する人も増えてきています。

例えば、メガバンクのような一般の銀行では、海外からの送金には2,000 ~ 3,000円の手数料がかかります。受け取るだけで!

こうした国際取引における送金受け取りの手数料が無料になるなど、SMBC信託銀行のPRESTIAであれば、安くつきます。

3.外国籍投信で資金の運用がしたい

シティバンクは元々富裕層の顧客が多く、その資金運用の手段として提供している各種のサービスも、富裕層に向けたものが多いです。

その最たるものの1つが投信で、日本国内の証券会社等で買える投資信託は、日本国内の運用会社が運営しているものが多いです。

しかし、PRESTIAの場合、JPモルガンやゴールドマンサックス、PIMCO等、日本国内の普通の証券会社では買いづらい外資系運用会社の投資信託を数多く扱っています。

外資系運用会社の投信の運用実績が必ず良い訳ではないですが、運用手段の選択を多く持ちたい人にとっては、選択肢を広げる手段の1つになるでしょう。

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