メガバンクが相次いで人員削減を発表し、最近銀行のビジネスモデルのあり方を問う声が出始めている。最近では人員縮小の話も話題をさらった。
3メガバンク計3.2万分業務“大リストラ”&店舗縮小、一斉表面化のワケ
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、三井住友FGの3メガバンクが店舗削減や人員スリム化など国内業務の大規模な構造改革(リストラクチャリング)に乗り出す。日銀の金融緩和による低金利や人口減少で経営環境が悪化する中、費用を大幅に見直して収益力を高めるのが狙い。3メガが削減する業務量は、単純合算で計3万2000人分にも及ぶ。3メガの大規模リストラの動きがこのタイミングで一斉に表面化したワケは…。
(出所)SankeiBiz
特に個人ユーザーに関しては、SBIやソニー等様々な企業がネットバンキングを提供しており、様々な選択肢がある。個人に限れば、メガバンクにお世話になる人は確実に少なくなってきている。
ネットリテラシーの高い人は軒並みネットバンクに切り替えていると思われるが、私はまだ給与振込み口座等にメガバンクの1つを使い続けている。ただ、それ以外の個人取引は、全てネットバンク化しており、ただ開いただけの口座も多々ある。
日本の銀行は海外の銀行では一般的な口座維持手数料が存在しないため、使わなくても敢えて閉じる必要がなくそのまま放置している。銀行からすると解約して欲しいだろうが・・・。
ちなみに、貯金のある銀行口座は10年放置すると「休眠預金」として銀行は合法的に没収することができるため(休眠預金活用推進法)、少しでも預金がある場合は、1円でも引き出して取引履歴を残しておきたい。
さて、こんな状態のメガバンク口座であるが、敢えて残すとしたらどういう理由があるのかふと考えてみた。
全国に広がる強固なATMネットワークが役に立つ
メガバンクの安心感の1つは、全国どこにでもある広範な営業基盤だろう。緑・赤・青のいずれかを保有していれば、主要都市や駅前ではこれらのATMを見かけることができる。急に現金が必要になっても安心だ。
しかし、これも今はネットバンクがコンビニATMでほぼ代替することができている。また、唯一手数料がネックになるが、ネットバンクの多くは一定の条件を満たせば、手数料を一定回数無料にすることが可能だ。
例えば、住信SBIネット銀行の場合、スマートランクプログラムでは以下の条件を満たすと、コンビニATMで5回まで手数料が無料になる。
- 預金残高が30万円以上
- 外貨預金残高1円以上
- SBIハイブリッド預金1円以上
他行宛の送金も3回まで無料になる。つまり、この理由はメガバンクを持つ理由としては不適当だろう。
お金に関する判断は対面で誰かに相談したい
お金に関する判断は、慎重さを要する。特に金銭管理が苦手な人は、借入や投資運用など何らかの手続きを誰かに相談したいものだ。
確かにこうした理由から身近に店舗があるメガバンクを保有している人は一定数いるだろう。
ただし、最近の銀行は少しでもお金を持っていると、投信や変額保険などをやたら売ってくる場合がある。最近は高金利の外貨建て保険の販売にも積極的だ。銀行は低金利で貸し出しで稼げないものだから、こういう商品に走るしかない。
銀行もビジネスでやっている訳だ。少しでも金融リテラシーの低さが露呈すれば、相談がてらこうした商品を薦めてくるだろう。銀行員を過信しすぎるのは気を付けた方が良い。手数料も暴利に等しい。
家を買い慣れている人は少ない。確かに何千万円もの住宅ローン等を組む時には流石に相談したい気もするが、ネットバンクやSUUMOでもマネープラザ等専用カウンターを設けている。
SBIグループの店舗相談型住宅ローン
こうした点を踏まえると、敢えてメガバンクに口座を持たなければいけない理由にはならない。
公共料金の支払い等どこにでも使えることが唯一秀逸な点
唯一ネットバンクが劣後していると思われるのが、あらゆる資金決済への対応力だ。
例えば、公共料金の支払いでは口座引き落としの場合、ゆうちょ銀行やメガバンクは必ずといっていいほど対応している一方、一部のネットバンクは対応していないことがある。
また、サービス開始当初の新しい・小さな事業者では、口座引き落とし等を利用すると、これも大抵ゆうちょ銀行やメガバンクのみとなっている場合がある。
やることが膨大にある中、サービスの運営事業主からすると、口座保有者の数を考慮すればゆうちょ銀行・メガバンクに先に対応するのは合理的な判断だ。
逆にこうした主要銀行にさえ対応していない場合、サービスそのものに対する不信感を招きかねない。
色々と考えてみたが個人がメガバンクを使うべき唯一の理由はこれしかない。考えて考えた結果メガバンクを持つ理由が無ければ、口座の解約でもしようかと考えた。公共料金の支払いは、クレジットカード払いもある。
しかし、今後も中小の事業者のサービスを利用しようとした時に、こうした銀行しか使えない場合がもしあったら・・・ということを考えると結局通帳は棚に閉まって置かざるを得ないのであった。