足下の先進国の株価は高値圏の推移が継続しており、私の主たる投資先の1つである米国株も動きが鈍くなっています。
一方で新興国株はかなり調子の良い状況が続く。下記は新興国株の代表的指数であるMSCI Emerging Indexを対象としたETFの価格推移ですが、2016年初の急落以来上り調子が続いています。
画面中央部の谷が2016年1月くらい。凄い上昇です。
MSCI Emergingの構成比率の高い中国の景気減速が底打ちしていることや、米国の利上げペースが緩やかなものに留まっていることがその背景でしょう。
また、単純に2016年初に売られすぎた反動という見方も出来そうです。私はDCの配分は先進国株+新興国株が100%という極端な構成のため、それなりにプラス収益を獲得できています。
さて、こんな状態の新興国株ですが、各種規制や取扱証券の少なさもあり、現物株での投資は難しいことから、ETFや投資信託での投資が必然となります。
私はETF派かつ種類の多様な米国上場のETFを主に扱っておりますが、自らの今後の投資に役立てるため、純資産総額の大きい順に米国上場の新興国株ETFをまとめてみました。
Contents
純資産額上位5位の米国上場新興国株ETF
※スマホの場合、横スクロールで全項目閲覧可能です。
[table id=12 /](出所)ETFDB.com
VWO:Vanguard FTSE Emerging Markets ETF
シンボル | VWO |
運用会社 | バンガード |
純資産額 | 6兆1,347億円 |
ETFの特徴 | FTSE Emerging Market IndexにトラックするETF |
1年リターン | 19.79% |
経費率 | 0.14% |
トップはやはりETFの定番バンガードによる新興国株ETFです。新興国株=経費率が高いという常識を覆し、年率はわずか0.14%で投資することができます。
2番手・3番手のETFはMSCI EmergingをトラックするETFですが、このETFはFTSEの新興国株インデックスを対象としているのも特徴です。ちなみに、MSCIとFTSEの新興国株インデックスの最も大きな違いは、韓国の区分。
MSCIは韓国を新興国として区分している一方、FTSEでは先進国として扱っています。そのため、組入れ銘柄上位にMSCIではサムスンが入っていますが、FTSEでは組入れられていません。
シンボル | IEMG |
運用会社 | ブラックロック |
純資産額 | 3兆5,866億円 |
ETFの特徴 | MSCI Emerging Market IMIにトラックするETF |
1年リターン | 24.06% |
経費率 | 0.14% |
バンガードの対抗馬ブラックロックの低コストETFシリーズ「iSharesコア」の新興国版です。経費率は同じ0.14%とお手頃な設定となっています。
このインデックスはMSCI Emerging Market IMIを対象としているため、バンガードのETFとパフォーマンスに差が生じます。
最近はアジアのテクノロジーセクターが好調なため、サムスンが組み込まれているこちらのETFの方が1年リターンは優勢です。
シンボル | EEM |
運用会社 | ブラックロック |
純資産額 | 3兆5,515億円 |
ETFの特徴 | MSCI Emerging Market IndexにトラックするETF |
1年リターン | 24.59% |
経費率 | 0.72% |
コアシリーズのIEMGが誕生したため、個人的には投資妙味がかなり薄れたと思われるETFがこのEEMです。経費率は0.72%と昔ながらのETFらしくべらぼうに高いです。
ちなみに、同じiSharesのMSCIの新興国株インデックスを対象としたIEMGとEEMですが、対象インデックスが微妙に異なっています。コアシリーズのIEMGはMSCI Emerging Markets IMIで、EEMがMSCI Emerging Markets Indexです。
IMIとはInvestable Markets Indexの略で、通常のスタンダードインデックスが中型以上の株を投資対象とするのに対し、IMIは小型株までカバーしています。パフォーマンスの僅かな差はその違いです。
スタンダードインデックスを対象にしている分、投資対象インデックスに制限のある年金基金や機関投資家などの需要はありそうです。
シンボル | INDA |
運用会社 | ブラックロック |
純資産額 | 5,592億円 |
ETFの特徴 | MSCI India指数にトラックするETF |
1年リターン | 27.10% |
経費率 | 0.71% |
純資産上位は新興国市場全体に対して投資するインデックスを対象としたETFですが、4位にはインド株を対象とするETFが組み込んでいます。ネックは経費率は0.71%と多少高めなとこ。
新興国の時価総額では中国株が圧倒的ですが、投資家の期待は成長性著しいインド市場に向いているのでしょうかね。確かにインド株のリターンは長期で見てもかなり良いんです。
一番上の青線がインド。USDベースの累積リターンはMSCI Emerging Indexを余裕でアウトパフォーム
改めて思いましたが、中長期投資のインド株は結構有望かも?
シンボル | EEMV |
運用会社 | ブラックロック |
純資産額 | 4,234億円 |
ETFの特徴 | MSCI Emerging Markets Minimum Volatility IndexにトラックするETF |
1年リターン | 17.56% |
経費率 | 0.25% |
このETFは新興国株の中でも、比較的低いボラティリティの株式を中心に投資したETFです。新興国株ETFながらも経費率は0.25%と比較的低めです。
新興国株はリスクが高いので、安全性の高い株式を中心に組入れていれることで安定したパフォーマンスが期待できます。一方、リターンは応分のリスクを取るからこそ実現する訳で、低リスクを追及すれば勿論リターンも低減します。
個人的には、中長期スタンスでの投資なら敢えて買う必要はないと思います。
まとめ
米国上場の新興国株ETFについて、純資産額の大きいもの簡単に紹介しました。これらのETFの中には、日本の取引所で購入できるものもありますが、やはりETFの多様性は米国には敵いません。
これらのETF以外にも、特定の市場や、テーマに沿った新興国株ETFが多数取り揃えてあり、かなりリターンの良いものも数多くありました。米国のETFは日本ではあまりメジャーでないものも多く、発掘する面白さもありますね。
新興国株はリスクは高いものの、経済の成長性からすると中長期的なリターンも相応のものが期待できます。私もこれを機にもう少し調べてみようと思います。
米国株・米国上場ETFが取引できる証券会社については、こちらの記事でもまとめています。ご参考にどうぞ。