外国株式への投資手段といえば、私にとっては米国市場に上場しているETFがそれに当たり、外国株式に限定すると、それ以外の資産は現在保有していない。
海外ETFのメリットはその低廉な運用コストであるが、その一方で小口購入の場合は売買に伴う取引手数料が高かったり、配当の再投資はマニュアルで行う必要がある等運用の管理が面倒な点は否めない。
インデックス投資派には、忙しくてできれば資産運用に手間をかけたくない方も多いだろう。そうした人にとって投資信託は一つの有効な手段になる。
同じインデックス投資でも投資信託を経由すれば、信託報酬はETFに比べ割高になるがノーロード投信であれば、小口購入も行いやすく積み立て投資がしやすい。また、配当も自動的に再投資設定することも可能だ。
国内の投資信託の信託報酬は、海外のインデックス運用のETFに比べて0.15%~020%ほど割高だが、海外ETFの運用手間賃に見合うと思えば投信信託を利用してみよう。
インデックス運用は同じ指数を用いていれば、どこの運用会社も似たような物。代表的インデックスを参照したの投資信託うち、対象ごとに最もコスパの良い投資信託を洗い出してみた。確認対象の運用会社は以下の通り。
- 大和投信 :iFree
- AM One:たわら
- ブラックロック:i-mizuho
- ニッセイ
- 野村:Funds-i
- 三菱:eMAXIS
- 三井住友:SMT
- SBI:EXE-i
- 楽天
Contents
先進国株式(MSCI KOKUSAI- MSCI World 除く日本)
順位 | 運用会社/ファンド名称 | 信託報酬 |
1位 | ニッセイ / ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.20% |
1位 | 三菱UFJ国際 / eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.20% |
3位 | 大和投信 / iFree外国株式インデックス | 0.21% |
※全てノーロード型投信
日本を除く先進国株式全体への投資には、MSCI KOKUSAIインデックスを参照する投資信託に投資することになる。
この項目では有名だが、ニッセイアセットマネジメントのニッセイ外国株式インデックスファンドが最も低廉な信託報酬のファンド。手数料の引き下げも積極的だ。三菱UFJ国際のeMAXIS Slimも肩を並べている。
なお、eMAXIS Slimシリーズは常に信託報酬手数料を見直し、業界最低水準を維持することを目標としている。そのため、資金を投じておけば自動的に投資信託業界では最もコスパが高くなる。
ちなみに、純資産ベースではニッセイ外国株式インデックスファンドが約729億円でダントツトップ。eMASXIS Slimが約26億円で次点。
先進国株式(MSCI KOKUSAI-MSCI World 除く日本)ヘッジあり
順位 | 運用会社/ファンド名称 | 信託報酬 |
1位 | 大和投信 / iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり) | 0.21% |
2位 | 三菱UFJ国際 / つみたて先進国株式(為替ヘッジあり) | 0.22% |
3位 | AM One/たわらノーロード 先進国株式<為替ヘッジあり> | 0.24% |
※全てノーロード型投信
外国株式への投資を行うと為替リスクはつきものだ。中長期的に見れば、為替の収益率はプラスマイナス0と言われている。
ただし、それはあくまでも理論的なお話。利益確定をするタイミングに運良く為替が円安、中立になっているとも限らない。為替リスクを回避したいなら、ヘッジありベースを買うと良い。
なお、為替ヘッジにはヘッジコストを要するため、内外の短期金利差分利回りが低下することに注意しよう。選択肢としては、大和、三菱、AM Oneがある。現状最安は大和投信のiFreeだ。同ブランドは信託報酬の引き下げも積極的なので、長く持っておいて損はないだろう。
米国株式 (ダウ平均株価・S&P500)
順位 | 運用会社/ファンド名称 | 信託報酬 |
1位 | AM One / たわらノーロード NYダウ | 0.24% |
1位 | 大和投信 / iFreeNYダウ・インデックス | 0.24% |
1位 | 大和投信 / iFree S&P500インデックス | 0.24% |
※全てノーロード型投信
米国株式へのスタンダードな投資をするなら、お馴染みのNYダウかS&P500にトラックする投資信託を選ぶことになる。
主要な運用会社のインデックス投信シリーズにおいては、AM Oneのたわらノーロード もしくは大和投信のiFreeが0.24%前後と比較的低い信託報酬で投資可能だ。
ちなみに、0.30%未満で投資可能な 米国株式投信のうち、S&P500を参照する投信はiFree一択なので注意。お金が集まりそうなのに案外設定されていないのは意外だ。
なお、上記両指数にこだわらなければ、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに追随する楽天・全米株式インデックス・ファンドが0.17%とさらにコストが低くなる。
欧州株式 (ユーロストックス50)
順位 | 運用会社/ファンド名称 | 信託報酬 |
1位 | ブラックロック / i-mizuho 欧州株式インデックス | 0.62% |
2位 | 三井住友/ 欧州株式指数ファンド | 0.71% |
※全てノーロード型投信
欧州圏には様々な国が存在することもあり、欧州株式へ投資する場合参照するインデックスも色々あって迷うが、メジャーどころはユーロストックス50だ。
現状北米の投資信託ほど低い信託報酬で設定されている投信はあまりなく、最も低いものでもブラックロックの0.62%程度となっている。そもそも投資家からの需要があまりないのか、設定されているファンドの総数がかなり少ない。
そういった背景もあり、信託報酬の競争が進んでいないため、米国株式と比べると割高な水準で維持されている。
新興国株式 (MSCI Emerging、FTSE Emerging)
順位 | 運用会社/ファンド名称 | 信託報酬 |
1位 | SBI EXE-i / つみたて新興国株式ファンド | 0.19% |
2位 | 三菱UFJ / eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 0.21% |
3位 | 楽天 / 新興国株式インデックス・ファンド | 0.27% |
※全てノーロード型投信
年金基金などに採用されているインデックスでは、新興国はMSCI Emergingが多いが、最近の低コスト投資信託ではFTSEの新興国インデックスを参照するものも増えてきている。
新興国株式への投資は、ネット証券系中心に海外のETFを組み入れることによって非常に低コストで運用する投信の設定が相次いでおり、以前と比較すると格段に投資しやすくなっている。
確かに日本と比べると海外で非常に低コストのETFがすでに存在するのだから、敢えて自ら運用する必要はない。トップはSBIのEXEシリーズで、次点は三菱、楽天が続く。ネット証券系はいずれもETFに投資するスキームだ。
インデックスごとにFTSEならSBI、MSCIなら三菱と使い分けるとよいだろう。