インデックス投資家には冷たい投信のポイント還元サービス、使える証券会社は実質2択だけ

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長期で積み立て投資をするのに投資信託は便利です。最近はノーロード+低信託報酬の投資信託が普及してきており、インデックス投資派には優しくなってきています。

つみたてNISA制度の効果もあり、私も順調に投信の残高が摘み上がってきました。こうした投資信託の積立も漫然と積み立てるだけではなく、積み立てた残高を有効に使う方法がいくつかあります。

その一つが投信のポイント還元サービスです。証券会社が保有残高に応じてポイント還元を行うサービスで、証券会社が信託報酬のうち、自社の取り分を一定程度顧客に還元することで、顧客を呼び込んでいます。

この還元サービス、主要なオンライン証券会社は大体どこもやっていますが、そのサービス内容には大きな差があります。特に低コストのインデックス投資派は、このポイント還元サービスはよく知っておかないと大変な損をします。

なぜか。それは少なくない証券会社において、ノーロードでインデックス運用を行う投資信託は対象外となっているためです。

主要なオンライン証券について、還元サービスの内容をまとめ、インデックス投資派が投信を買う価値がある証券会社について、選定します。

主要オンライン証券の投資信託ポイント還元サービス概要

証券会社名称還元サービス有無インデックス
ファンドは対象?
年率還元率
SBI証券あり対象0.05%
楽天証券あり対象0.06%
松井証券あり対象外
GMOクリック証券なし
カブドットコム証券あり対象外
マネックス証券あり対象外
岡三オンライン証券あり対象個別特典

※楽天証券は残高によって適用料率が変更。表中の記載は、保有残高100万円を前提

まず、表形式で投資信託(インデックスファンド)の保有によってポイントが還元されるサービスをざっと確認します。

そもそも、インデックス投資派の投信積み立てはSBI証券、楽天証券、岡三オンライン証券の3つしか選択肢はありません。それ以外の証券会社では、インデックス投信の旨みが薄いため、インデックスファンドのブランドは対象外としています。

特に松井証券・GMOクリック証券・カブドットコム証券・マネックス証券に加え、還元メリットが少ない岡三オンライン証券では長期で相応の金額になる「つみたてNISA」は他社と比べポイント面で損しますので、できれば避けた方が無難です。

次に対象となる証券会社のサービスの詳細を確認します。

SBI証券のポイント還元サービス

ポイント還元サービス制度名SBI投信マイレージ
ポイント還元率(通常)0.1% ~ 0.2%
ポイント還元率(インデックス)0.05% ~ 0.03%(年率)
対象基準
月間平均保有残高

SBI証券の投信マイレージサービスでは、インデックスファンドに対して0.05% ~ 0.03%のポイント還元を行っています。対象となる主要なファンドは以下の通り。

還元サービスの対象一覧

投信マイレージで0.05%還元となる主なインデックスファンド一覧

  • 野村:「つみたて」投信
  • 三菱UFJ国際:「つみたて」投信
  • 三菱UFJ国際:eMAXIS Slim
  • One:たわらノーロード
  • SBI:EXE-i
  • ニッセイ:ニッセイインデックスファンド
  • 三井住友:三井住友DCファンド
  • 三井住友TAM:SMT・i-SMT
  • 大和:iFree
  • 大和住銀:ひとくふう
  • 明治安田:ノーロード投信
  • りそな:Smart-i
  • ブラックロック:iシェアーズインデックスファンド
  • KDDI:スマートベーシック

投信マイレージで0.03%還元となる主なインデックスファンド一覧

  • 三菱UFJ国際:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
  • 楽天:楽天インデックスファンド
  • SBI:SBI・全世界株式インデックス・ファンド
  • ニッセイ:ニッセイ外国株式インデックスファンド

投信マイレージで対象外となるインデックスファンド

  • SBI:SBI・先進国株式インデックス・ファンド
  • SBI:SBI・新興国株式インデックス・ファンド

競争の激しい先進国株式インデックスファンドは低い還元

以上がSBI証券でインデックスファンドを投資するマイレージサービスの対象です。特に先進国株式のインデックスファンドは手数料競争が激化しているため、還元割合が低くなっている点に注意です。

還元ポイントの使い道

還元されたポイントは、グループのポイントサイトであるSBIポイントで商品や現金、他のポイントサービス等に交換することができます。なお、現金及び他のポイントサービスに交換する場合は、以下のレートが適用されます。

現金に交換する場合

①SBIソーシャルレンディングとのID連携②指定口座を住信SBIネット銀行にすることで、手数料無料で5,000ポイント=5,000円に交換可能

他のポイントサービスに交換する場合

  • Tポイント:500SBIポイント → 500ポイント
  • ANAマイル:700SBIポイント → 200マイル
  • JALマイル:900SBIポイント → 300マイル
  • PeX:500SBIポイント → 4,000ポイント
  • nanaco:500SBIポイント → 500ポイント 

楽天証券のポイント還元サービス

ポイント還元サービス制度名投資信託資産形成ポイント
ポイント還元率0.03% ~ 0.12%(年率)
対象基準条件①:月初に投信を保有
条件②:月末時点の残高に適用

楽天証券の投資信託資産形成ポイントでは、投資残高によって付与ポイントが固定されており、年率の料率に換算すると大よそ0.03% ~ 0.12%となります。

■ポイント付与テーブル

投資金額月間付与ポイント
50万円以上 ~ 200万円未満50ポイント
200万円以上 ~ 400万円未満 100ポイント
400万円以上 ~ 600万円未満 150ポイント
600万円以上 ~ 800万円未満200ポイント
800万円以上 ~ 1,000万円未満300ポイント
1,000万円以上 ~ 2,000万円未満500ポイント
2,000万円以上1,000ポイント

残高次第ではSBI証券よりも還元割合は高いですが、ポイント付与が2,000万円以上で固定されており、それ以上の保有メリットはないため注意です。

還元サービスの対象一覧

楽天証券の還元サービスは素晴らしく、インデックスファンドであろうが無かろうが、ブル型・ベア型でない限り全ての投資信託が対象となりますので、細かく気にする必要はありません。

参考に対象とならない投資信託は以下の通り。中長期で考えるインデックス投資派ならまず買わないものしかありません。

還元対象とならないブル・ベア型投資信託

  • 楽天:楽天日本株ブル・ベア投信
  • T&D:日本債券ベアファンド(5倍型)
  • T&D:ロボット戦略 世界分散ファンド(資産の番人)
  • 日興AM:日本トレンド・セレクト・ハイパー・ウェイブ
  • あおぞら:あおぞら・USトリプルプラス・ファンド
  • SBIAM:SBI日本株ブル・ベア投信
  • 大和:iFreeレバレッジ S&P500
  • 大和:iFreeレバレッジ NASDAQ100

還元ポイントの使い道

楽天証券のポイントプログラムは、楽天グループで使える楽天スーパーポイントか楽天証券のみで使用できる楽天証券ポイントに交換可能です。

楽天スーパーポイントは、楽天市場のでのショッピング等に適用できますし、楽天証券ポイントは、JALマイルに交換可能です。

また、両ポイントとも投信信託の買付代金にも適用可能なので、再投資に回すこともできます。特段使用用途が決まっていない分は、再投資に回してしまった方が投資効率が高くなるので、余計な商品に交換したくない人には最適な手段と言えます。

岡三オンライン証券のポイント還元サービス

ポイント還元サービス制度名
ポイント還元率
対象基準投信平均残高1,000万円以上 等

岡三オンライン証券の場合、全ての投資信託が対象となりますが、直接ポイント等で還元される訳ではなく、いくつかの特典を得ることができます

投信保有に伴う特典① 国内株売買手数料の優遇

保有残高に応じて国内株式の売買手数料コースが「プラチナ」「プレミアゼロ」等に変わります。

■国内株式の売買手数料優遇コースの概要

コース名称プレミアゼロプラチナ
対象基準投信残高3,000万円以上投信残高1,000万円以上
1日の約定代金20万円までの手数料0円0円
1日の約定代金30万円までの手数料 0円200円
1日の約定代金50万円までの手数料 0円 200円
1日の約定代金100万円までの手数料 0円 300円
1日の約定代金200万円までの手数料 0円 300円
1日の約定代金200万円以上の手数料 0円 200万円ごとに300円

投信を一定程度保有することによって短期的な売買に伴う手数料を削減できる訳ですが・・・。インデックス投資派にとっては親和性のないメリットです。

投信保有に伴う特典②国内株式IPOの当選確率アップ

上記の手数料優遇コース「プラチナ」及び「プレミアゼロ」が適用されると、岡三オンライン証券が取り扱うIPOの抽選においてステージSが適用されます。

岡三オンライン証券では、IPO抽選には顧客が岡三オンライン証券に支払った過去の手数料によって3段階のステージ区分で分けられ、ステージSはその最上位になり、当選確率も最も高いです。

ただし、その確率はもちろん公表されていません。また、インデックス投信を大量に保有する投資家のうち、こうしたIPOに好んで投資する人がどれくらいいるものなのか・・・。

これも正直インデックス投資派にとっては、あまり良い特典とは言えないでしょう。

インデックス投信を好む投資家にとって、投信保有のメリットがある証券会社はSBI証券と楽天証券のみ

これまでの記述で分かるように、インデックス投信を買った場合に買うことによって還元メリットが得られる証券会社は、SBI証券と楽天証券の2社しかありません

還元率はそこまで高くないので、自分の保有残高ならどこでも良いやなんて人も多いと思います。ただし、投信の保有残高が1,000万円単位になってくると、年間で数千円から数万円の違いになってきます。

教育資金や老後資金などすぐ引き出す予定がない場合、還元額は相応の金額になってきますので、SBIや楽天証券で積立を行うと投資がより捗るでしょう。

なお、楽天証券の投資信託資産形成ポイントは2,000万円程度がポイント還元の適用率が悪くならない上限ですが、楽天銀行との連携で使えるハッピープログラムを利用すれば上限はありません。

金額が大きくなりそうなら積極的に利用しましょう。

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