米国株式投資で為替ヘッジを行う意味はあるのか?考えようによってはありか

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米株のような外国資産の投資をしていると、気になるのが為替の動き

株式のリターンだけではなく、為替の値動きの影響も受ける。そのため、SP500やダウ平均が横ばいの時でも、円高の影響でポートフォリオの評価損益がマイナスなんてことはよくあります。

ヘッジ外債のように為替リスクを排除できたら、こうしたこともなくなるのになぁ・・・

外国株式を個人投資家が自前でヘッジするには?

オープン外債のヘッジのように自分のポートフォリオにおける外国株式をヘッジするには、FXを用いれば機関投資家が行っている為替予約を簡単に再現できます

1万ドル(約110万円)の保有株に対して米ドルの為替の影響を相殺するポジションを取れば良いので、FXでUSD/JPYを1万通貨ショートすれば、為替のリスクを緩和することが可能です。

勿論保有株の時価が変わるので、3ヵ月や6カ月など定期的にFXのポジション金額をいじる必要はあります

リスク抑制効果はあるが、ヘッジコストが痛い

メリット:ポートフォリオのリスク低下

こうした方法で個人投資家でも簡単にヘッジ外株投資をすることは可能ですが、外国株式をヘッジすることの効果は何でしょうか。

当たり前ですが、為替の影響を受けなくなります。例えば、米国株式のポジションでは、為替の影響で評価損が発生している場合、FXでは評価益が発生しているので、合わせると為替による評価損益は概ね0です。

ある一定期間ごとにFXのポジションを決済して証券口座に振り込めば、ポートフォリオにおける為替の影響はほぼありません。

長い目でみれば、円安・円高どちらの可能性もあるので、損得は不明ですが少なくとも為替の影響が排除されている分ポートフォリオのリスク(ボラティリティ)は低下していますね。

デメリット:ヘッジコスト(マイナススワップ)が痛い

一方で、為替のポジションにはスワップがあるため、ドル円のショートポジションにはマイナススワップが発生します。保有しているだけで延々と金利差分わずかですが、スワップの支払いが続きます。

今はまだ日米の金利差からすると年率で1%前後がコストとなりますが、この1%分は確実にポートフォリオがやられる事になります。

但し、これを逆手に取り、日本より金利の低い通貨であれば、為替リスクを排除したうえでヘッジプレミアムが取れます。例えば今はユーロ円のショートはその1つなので、外国株にユーロ圏のポジションがあるなら、敢えてヘッジするのもありかもしれません。

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高配当株式投資ならヘッジコストを吸収しやすい

米国株式の投資銘柄が高配当株式なら、配当利回りの高さがヘッジコストをある程度吸収してくれるという考え方もできます。

例えば、マイナススワップが年1%かかっても、ポートフォリオの配当が3%の場合、配当はマイナススワップで目減りしますが、それでもプラスを確保できる。

まぁ、配当再投資の効果も純粋に下がってしまいますが、より安全に、ポートのリスクを引き下げて投資したい人には局面によってはありかもしれません。

これらから長期で見て円高推移が期待されるならあり?

実際これから先の局面(中期的)は、円高になる確率は相応にあります。

すぐ目先は米国の利上げで、日米の金利差拡大から短期的には相応の円安推移が期待されます。その場合、為替ヘッジをかけてしまうのは損になります。当たり前ですが。

ドル円の長期チャート。中長期なら為替は円高方向か

一方で、長期で見た為替レートは既にもう相応な円安水準。日本は経常黒字国なこともあり、中長期でみれば円高方向に向く可能性は大いに考えられます。

過去のチャートの動きから見る限り、今後目先の3~5年単位のポジション取りなら、ポートフォリオのお守りとして為替ヘッジをかけるのもありかもしれませんね。

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