米国株式が取引できるネット証券について項目別で詳細に比較してみた【メリット・デメリット】

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私の個人の資産運用で中長期用的に引き出す予定のない資金は、日本株ではなく米国株式(ETF)を中心に資金運用を行っています。長い目で見て経済の成長性が相対的に高く、企業の株主還元姿勢も積極的なためです。

さて、そんな米国株ですが日本から投資するには、以下の方法があります。

  1. 投資信託を購入する
  2. 国内のETFを購入する
  3. 海外市場で直接買い付ける

いずれの方法でも良いのですが、日本の投信市場は欧米と比べると信託報酬などが高く、1や2の場合はじわじわと保有コストがかかってきます。また、投資できる銘柄にも限りがありますし、気に入った個別銘柄も投資できません。

そのため、私は米国株式を直接買い付けできる証券会社を使って米国株を購入しています。私自身が米国株投資をするにあたり調べた主要な証券会社について様々な項目ごとに比較してみましたので、参考にしてみてください。

●米国株式(アメリカ株)がネットで直接購入できるネット証券

  • SBI証券
  • マネックス証券
  • 楽天証券
  • One Tap Buy

※この比較における掲載情報は記事トップにある更新日時点の情報に基づきます

取扱銘柄数(個別銘柄・ETF)はどう?

 順位 証券会社 個別銘柄(ADR含む) ETF
1 マネックス証券 3,114銘柄 253銘柄
2 SBI証券 1,177銘柄 253銘柄
3 楽天証券 1,066銘柄 252銘柄
4 One Tap Buy 30銘柄

同じように米国株式を取り扱える証券会社の中でも、その数量には大きな差があります。圧倒的な1位はマネックス証券3,000銘柄以上の取扱があり、SBI証券、楽天証券がそれに続きます。

ただ、例えば購入予定銘柄がS&P500やダウ平均、ナスダック100などの主要指数に採用されている銘柄等が中心ならどの証券会社も概ねカバーしており、まぁ取扱を気にする必要はありません。

おそらく大半の人がそうかと思われます。ETFの場合も同様です。一方、One Tap Buyはビギナー向けの証券会社で取扱を以下の30銘柄に絞っています。

米国の誰でも知っている有名企業が並ぶ

取りあえずお試しで米国株にトライしてみたい場合は、こちらでも面白いですね。選択肢が狭い分初心者でも銘柄選びに迷う余地は殆どないです。

取引手数料・為替手数料はどれくらい?

 順位 証券会社 取引手数料 為替手数料 1,000ドル分購入したら?
1 SBI証券 0.45%
※最低5ドル・最大20ドル
25銭 100,701円
1 マネックス証券 0.45%
※最低5ドル・最大20ドル
25銭 100,701円
3 One Tap Buy 0.50% 35銭 100,852円
4 楽天証券 25ドル 25銭  102,255円

※円換算は1ドル=100円

証券会社を選ぶ時、最もシビアになるのが手数料ではないでしょうか。特に小口の資金で頻繁に売買する人ほど手数料が効いてきますので、注意が必要です。

1回あたり1000ドル(10万円)前後の売買の場合なら、SBI証券やマネックス証券に分があります。しかし、One Tap Buyや楽天証券も売買金額によっては有利・不利が変わります。

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●参考:売買金額ごとの手数料込み必要金額

 売買金額 SBI証券 マネックス証券 楽天証券 One Tap Buy
10ドル 1,504円 1,504円 3,008円 1,009円
100ドル 10,526円 10,526円 12,030円 10,085円
1,000ドル 100,751円 100,751円 102,255円 100,852円
5,000ドル 503,255円 503,255円 503,255円 504,259円
10,000ドル 1,004,505円 1,004,505円 1,004,505円 1,008,518円

※円換算は1ドル=100円

このような感じです。One Tap Buyは少額投資向けの手数料体系となっており、積み立て等で1回の売買が概ね830ドル(約8万3千円)以内であれば最も手数料が安いです。

一方、楽天証券は20ドルの固定手数料であるため、少額売買には最も不向きですが、売買金額が5,000ドル以上であれば他社と比較しても遜色ありません。この点は覚えておいた方がよいです。

なお、SBI証券については、為替手数料(スプレッド)を以下の手法を使うことに更に圧縮することが可能です。

  1. 通常取引(口座の日本円を外貨に替えて買付):スプレッド + 25銭
  2. 住信SBIネット銀行で外貨預金を行い、SBI証券に外貨入金:スプレッド +15銭
  3. SBI FXでポジションを現引き(最低1万通貨):スプレッド + 3銭

現引きは1万通貨からなので約100万円ほど準備する必要がありますが、それなりに資金のある人ならSBI証券が手数料が最も安くなりますね。

米国株の特定口座・NISA口座に対応している?

順位 証券会社 特定口座 NISA口座 NISA口座の手数料
1 マネックス証券 個別株・ETFの買付手数料0円
2 SBI証券 ETFの買付手数料0円
2 楽天証券 ETFの買付手数料0円
4 One Tap Buy

SBI・マネックス・楽天などの主要ネット証券は全て特定口座及びNISA口座に対応しています。一方、One Tap Buyはビギナー用に全ての口座が特定口座となっており、NISAは対応していません。

主要3社の違いでは、マネックス証券のNISA口座のみ個別株・ETF両方の買付時の手数料が無料です。NISAで個別株を定期的に少額ずつ購入するなら、マネックスが一番得になりますね。

注文受付時間や方法は充実している?

順位 証券会社 注文方法 注文有効期限 注文受付時間(通常)
1 マネックス証券 成行、指値、逆指値、トレールストップ、OCO、連続注文 最大90日間有効 24時間
2 SBI証券 指値 最大15営業日 19時~19時半、6時~10時を除く時間
2 楽天証券 成行・指値 当日のみ 15時~翌6時
One Tap Buy 金額指定成行 24時間

※楽天証券・SBI証券の注文受付時間は、サマータイム時には1時間早まる(6時 ⇒ 5時)。

注文方法はマネックス証券が多様性に富んだ方法に対応しています。また、有効期間も90日と長いため、ある一定価格になったら買いたい・売りたい等の注文をずっと置いておくことが可能です。

また、マネックス証券は主要ネット証券で唯一米国のアフターマーケット(夏 5:00 ~ 9:00、冬 6:00 ~ 10:00)の取引に対応。例えば、企業決算や中銀コメント後の相場で取引したい人等にはうってつけです。

もう一つ特徴的なのがOne Tap Buy。この証券会社は、相対取引(証券会社が相手方となって買付・売却を行う)のため、24時間注文・約定することが可能です。

但し、米国市場が閉まっている場合は、手数料に相当するスプレッドが(0.50%0.70%)になるので、できれば米国の取引時間に出した方がお得です。

最低取引単位はどれくらいから?

順位 証券会社 売買単位
1 One Tap Buy 1,000円から
2 SBI証券 1株
2 マネックス証券 1株
2 楽天証券 1株

小口取引を行いたい人には取引単位は重要です。ちなみに、米国株には単位株制度はないため、手数料が気にならなければいずれの証券会社も1株から売買できます。

One Tap Buyは異色で、最低取引単位はどの株も1,000円が最低取引単位です。One Tap Buyはいわゆる初心者でも買いやすいようミニ株のような取引システムを用いており、購入金額に応じた持ち分が割り当てられます。

勿論これは通常の株価と同様の値動きとなりますし、配当等も付与されますので普通の株式と何ら変わりません。

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決済通貨は米ドルのみ?

順位 証券会社 売買単位
1 SBI証券 米ドル・日本円
1 楽天証券 米ドル・日本円
3 マネックス証券 米ドル
One Tap Buy 日本円

大した問題ではありませんが、取引前に「自分で外貨を購入しておく必要があるか」、それとも取引時に「口座の円貨から外貨手数料相当額が決済されるか」です。

私にとっては単なる手間の問題なのでどちらでも良いですが、マネックス証券だけは円貨決済が出来ないので、買付前には自分で外貨を購入しておく必要があります。

逆にOne Tap Buyは強制円貨決済になりますので、自分で任意のタイミングの米ドルを買うことはできません

貸株に対応している?

順位 証券会社 貸株サービス
1 SBI証券 あり
2 マネックス証券 なし
2 楽天証券 なし
2 One Tap Buy なし

長期投資でホールドする予定なら、貸株サービスが使えると配当金に加えて貸株金利が貰えてお得ですね。

日本株だと当たり前のような貸株サービスですが、米国株で対応しているのはSBI証券だけです。貸株は在庫が多く、需要の銘柄なら金利はつきませんが、特に中小型株を好んで投資する人ならSBI証券はおすすめです。

SBI証券の米株貸株サービスKastock

ちなみに、本日チェックしたところだと金利付与銘柄は1,300銘柄以上あり、最も高いものだと金利2%にもなります。

外貨入出金に対応している?

順位 証券会社 外貨入出金 入出金手数料 入出金手続き
1 SBI証券 無料 インターネット
2 楽天証券 入金:1,000円
出金:25米ドル
銀行窓口・コールセンター
3 マネックス証券 入金:有料(銀行次第)
出金:2,000円
銀行窓口・コールセンター
4 One Tap Buy ×

米国株を買うのに必要な米ドルは買付時に為替手数料を払って同時に購入する方法が一般的です。しかし、例えば海外旅行で余った外貨など、既に別の銀行で米ドルを既に持っていれば、外貨入出金サービスで買付資金として利用できます

One Tap Buyを除く主要3社は全て外貨入出金サービスに対応しています。SBI証券は住信SBIネット銀行に限定されますが、入出金に要する手数料もなくインターネットで即時に反映

上記にも記載しましたが、これを利用して住信SBIネット銀行で外貨預金を購入し、保有する外貨を外貨入出金サービスでSBI証券に移せば通常よりも為替手数料を10銭節約できます。積極的に利用したい所ですね。

住信SBIネット銀行の外貨入集金サービス。やはりSBIは便利です。

楽天証券及びマネックス証券も対応していますが、都度コールセンターに連絡をする必要があることや、銀行の手数料も結構取られます。よっぽど大量の外貨を保有していない限り、気軽に使うのは難しそうです。


株価表示に関する仕様は?

 順位 証券会社 無料の場合のディレイ度合 リアルタイム表示に要する料金
1 マネックス証券 リアルタイム(ECNベース) 500円/月
2 SBI証券 15分ディレイ 500円/月
3 楽天証券 15分ディレイ 1,000円/月
4 One Tap Buy リアルタイム(注)

中長期で投資している投資家にとっては、株式の売買で参考にする株価情報はそこまで重要ではないかもしれませんが、念のため確認するとマネックス証券のみ電子取引所ベースですが、無料でリアルタイム株価を確認することが可能

電子取引所は最近では米国の証券取引においてものかなりの割合を占めており、NYSEやNASDAQ等の公表株価と大して変わりません。

One Tap Buyの場合は市場取引ではないため、提示されている株価は市場公表株価を基準としていますが、証券会社(One Tap Buy)の在庫量次第では株価に一定程度スプレッドが上乗せされる可能性がある点には留意。

注文に対応できる端末は?

 順位 証券会社 PC スマホ
1 マネックス証券
1 One Tap Buy
3 楽天証券 ×
4 One Tap Buy ×

米国株は取引コストが高いため、短期売買する人はあまりいません。概ね大体の投資家はPCでじっくり銘柄情報等を吟味した上で発注をするかと思います。但し、最近では若い方中心にスマホで何でも済ましてしまう人も増えてきています。

マネックス証券やOne Tap Buy等は米国株でもスマホに対応しており、わざわざPCを開く手間もありません。定期的に購入する銘柄が決まっているなら、上記証券会社を利用すると楽でしょう。

マーケット関連情報は充実している?

順位 証券会社 提供情報
1 SBI証券 ・バロンズ拾い読み
・モーニングスター評価レポート
・米国株専用スクリーナー
2 マネックス証券 ・米国株シグナル
・米国株専用スクリーナー
3 楽天証券 ・バロンズ拾い読み
4 One Tap Buy ・投資マンガ

米株の取引をする上で必要な情報は何も証券会社だけではなく、有名な個人投資家のブログやネットの関連サイトでも入手できますので、私はそこまで重要視してはいません。

ただ、使える情報は多い方が良い。そういう点では、やはりSBI証券が比較的充実している方ではないかと思います。

それ以外の注目点としては、個人的に面白かったのがOne Tap Buyの投資マンガ。口座開設者ならだれでも見られますが、米国有名企業の成り立ちが簡単な漫画になっていて興味深いです。

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私は基本的に中長期の観点で投資を行っているため、日本株と比べDCや余剰資金の運用先は相対的に成長力・インフレ率の高い米国株式...

まとめ

米国株を直接取り引きできる主なネット証券について確認してみました。多くの証券会社一長一短ありますが、特に積極的に口座開設したいのがSBI証券+住信SBIネット銀行マネックス証券の合計3社でしょうか。

SBI証券はやはりシステム面やサービス面の充実度が高い。また、取引に要する手数料も住信SBIネット銀行と連携するだけで、最も安くなります。個別株投資なら貸株が利用できる点もGoodです。

マネックス証券はSBI証券では足りない点を補うのに良いですね。例えば個別株によるNISAでの売買や、株価情報の確認などです。この2社(+1銀行)さえ、開いておけば米国株投資に不足はありません。

ビギナーで少額投資で始めたい、コツコツ米国株で積み立て投資を行いたいなんて場合であれば、One Tap Buyをやってみても面白いかもしれませんね。

上記を参考に実際に開設、投資してご自身の目で確認してみてください。

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