SBIや楽天が強い米国株式投資において、敢えてDMM.com証券を使うメリットはあるのか?

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米国株式の取引を行うには、SBI証券もしくは楽天証券が鉄板の選択肢となっています。他にも様々な証券会社がサービスを提供していますが、中々この二大巨頭に勝てていないのが現状です。

米国株式の取引を扱うオンライン証券として、DMM.com証券もその1つですが、DMM.com証券をSBI証券や楽天証券などの標準的な証券と比較して利用するメリットはどこにあるのか?気になったので、項目別に確認してみました。

DMM.com証券とは?

DMM.comグループの子会社で主に証券・FX取引関連のサービスを手がけています。元々は、別の企業グループの下でSVC証券という名称で2006年ごろに立ち上げられ、2009年にDMM.comグループに傘下の企業となっています。

長らくDMM FXやCFD等のサービスを手掛けていましたが、2017年に一口馬主の投資ファンドの提供、2018年に国内株式・米国株式の取引サービスを開始しています。

FXではかなりの口座数・取引高を誇っており、FXトレーダー界隈では有名ですが、現物株の取引では知っている人は少ないのではないでしょうか?

DMM.com証券の米国株式取引サービスの特徴(SBI・楽天との比較)

既に米国株式の取引サービスでは、SBI証券や楽天証券が相応のサービス・顧客還元を提供しており、今後参入する企業には相応の差別化策が期待されます。DMM.com証券ではいかなる特徴があるのか、項目別に確認します。

取扱銘柄数(現物・ETF・ADR含む)

証券会社名銘柄数
DMM.com証券240
SBI証券1,837
楽天証券1,812

主要銘柄の取扱が中心

DMM.com証券では現物株式、ETF、ADRを取り扱っており、記事執筆時点での取扱銘柄数はおよそ240。少なく見えますが、個別株取引においてS&P500やダウ平均株価などの比較的大きな銘柄を売買する人にとっては十分な数量。

一方でマニアックな銘柄をよく売買される人にとっては、中々売買できる銘柄がなく苦労するかもしれません。ETFについても流動性を考慮してIVV・VTI・VOO・VYM等のバンガードやブラックロック等の主要ETFの売買が中心の人なら、そこそこ揃っています。

売買委託手数料

証券会社名水準
DMM.com証券約定代金の0.45%
最低手数料:5ドル
上限手数料:20ドル
SBI証券 約定代金の0.45%
最低手数料:5ドル
上限手数料:20ドル
楽天証券 約定代金の0.45%
最低手数料:5ドル
上限手数料:20ドル

委託手数料は業界標準の料率

売買委託手数料に関しては、主要な証券会社は全て横並びで上記の設定です。

ご存知のようにオンライン証券の業界は競争が激しく、どこかが最安値を付けると、すぐに競合が追随する構図が定着化しています。

価格競争となれば必ず全ての参加者が疲弊する結果となるので、実質的に現状では上記水準で固定化しており、米国株式取引手数料のスタンダードとなっています。

株ポイントを考慮すると、業界最安値

ただし、DMM.com証券では、独自のサービスとして、取引手数料に対して1%の株ポイントが付与され、1ドル100円の時なら最低手数料分の売買で5ポイントの株ポイントを得られます。

この株ポイントは1ポイント1円換算となりますので、数字だけみれば実質的な米国株式売買にかかる手数料は最安値水準と言って良いでしょう。

難点は換金が1,000ポイント単位のため、ハードルが非常に高いこと。簡単にいうと、少なくとも20ドルの上限手数料がかかる約定金額4,000ドル単位の売買を50回繰り返す必要があります

これは特に長期保有で売買の少ない投資家には厳しいです。

為替スプレッド

証券会社名スプレッド
DMM.com証券50銭
SBI証券25銭
楽天証券25銭

為替スプレッドは他社相対で割高

米国株式は米ドル建ですので、売買に際しては米ドルの売買を行う必要があります。為替の取引においては、各社売買時のレートにスプレッド(為替手数料)を上乗せしていますので、このスプレッドが低いほど投資家に有利になります。

主要オンライン証券では、通常の米ドル為替スプレッドは+-25銭が相場ですが、DMM.com証券では+-50銭となっており、為替の調達コストに関しては改善の余地ありです。

為替コストに関しては、住信SBIネット銀行で米ドル預金(+-4銭)→SBI証券に送金がベストです。

注文受付時間

証券会社名概要
DMM.com証券夏時間:16時 – 翌日の6時
冬時間:16時 – 翌日の5時
※土曜日のみ翌日の3時
SBI証券 日本時間19:00 – 19:30以外
楽天証券夏時間:15時 – 翌日の6時
冬時間:15時 – 翌日の5時
※土曜日・日曜日は不可能

休日の発注もしやすい

DMM.com証券では注文時間は概ね楽天証券の時間帯に沿ったルールとなっており、あまり差はありません。

楽天証券に優越している点としては、楽天は土日の発注ができないものの、DMM.com証券では可能となっており、平日多忙な会社員にはありがたい仕様です。

モバイルアプリ

証券会社名概要
DMM.com証券モバイルアプリから発注可能
SBI証券なし
楽天証券なし

米国株式取引でもモバイル環境に配慮

米国株式の発注に関しては、業界全体的にモバイル環境の対応はあまり進んでいません。現状モバイルアプリでの発注は、国内株式以外SBIや楽天とも十分な環境が構築されていません。

一方、DMM.com証券では、国内株式の売買アプリで米国市場の対応が可能。モバイル環境で手軽に発注したい投資家にとっては、One Tap Buy等とともに有力な選択肢の1つになります。

入出金対応

証券会社名入金出金
DMM.com証券クイック入金OK最短翌営業日
SBI証券クイック入金OK最短翌営業日
楽天証券クリック入金OK最短当日(楽天銀行)

入手出金方法は業界標準

入出金環境は特段問題なし。入金・出金ともに概ね業界標準の対応です。

ただし、入出金等に限りませんが、SBI証券や楽天証券は、グループに銀行やクレジットカード会社等も保有しており、証券との接続で様々な恩恵を受けられますが、新興のサービスではそういたった点は厳しいですね。

サービスは全般的にライトユーザー向け

最近米国株式の取扱を始める企業が増えており、米国株式投資家には嬉しい限り。ただし、既にSBI証券や楽天証券などが充実したサービスを提供していることもあり、DMM.com証券の米国株式売買サービスもライトユーザーをターゲットとした仕様です。

投資にかかるコストや対応銘柄数などは、大手に比して劣後している点は否めません。敢えて米国株式取引の選択肢として選ぶなら、円貨から手軽にスマホで発注したい、そんな投資家向けの証券会社というのが、現状の評価ですね。

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