最近若者が車を買わなくなり車離れが叫ばれて久しいが、その背景の一つにはカーシェアリングサービスの隆盛も寄与している。
私のように都内に居住する人の場合、税金や駐車場代が馬鹿高く、車を保有コストが使用時間に見合わない。しかし、遠出のショピング等完全に使用しないというわけでもないため、こうしたスポット的利用にカーシェアリングが役立つ。
カーシェアリングの利用者は拡大の一途にあるが、参入業者も徐々に増えつつある。私は自分の周囲にあるステーション数から業者を選んでいたが、こららの業者はどこが違って、一番自分の利用スタイルに適合するのか調べたくなったのでまとめてみた。
この記事では、以下の業者に関してユーザーの関心の高いと思われる項目をできるだけ簡潔にまとめたので参考にしてほしい(括弧内は運営会社名)。
- タイムズカープラス(タイムズ)
- オリックスカーシェア(オリックス)
- カレコ・カーシェアリングクラブ(三井不動産リアルティ)
- dカーシェア(docomo)
- エニカ(DeNA)
なお、この他にも大小様々な業者が存在するが、提供車両数や地域等が微妙で使い勝手が悪く当記事では考慮しない。上記は全国展開かつ大手業者ばかりなので、新規に利用検討している方もこれらのサービスを抑えておけば十分だ。
入会金・料金プラン
カーシェアリングサービスの料金形態は大きく分けて「月額固定料金」と「利用時間に応じた従量制料金」の2つの区分で構成されており、月々の清算はこの合計額になる。
この項目はカーシェア選びの上での最重要項目なので、しっかり確認しよう。
入会金及び月額基本料金
サービス名 | 入会金 | 月額料金(個人) | 月額料金(学生) |
タイムズ | ●カード発行料:1,550円 | 1,030円 ※無料利用1,030円分付き |
無料 ※登録から4年間 |
オリックス 個人Aプラン |
●カード発行料:1,000円 | 980円 ※無料利用980円分付き |
無料 ※登録から5年間 |
オリックス 個人Bプラン |
無料 | ||
カレコ | 無料 | 980円 ※無料利用980円分付き |
無料 ※登録から4年間 |
dカーシェア | 無料 | 無料 | 設定なし |
エニカ | 無料 | 無料 | 設定なし |
まず、カーシェアリングの利用には、必ずかかる費用として初期費用及び月額固定料金がある。いわゆる月額の会員費みたいなものだ。
大手3社のベーシックなプランはいずれも1,000円前後かかる。ただし、これらの料金は月の利用額から同額差し引かれるため、大手各社とも月に1回1時間ほど利用して1,000円前後支払う人にとっては実質無料となる。
一方、毎月使用するか分からない、月額料金がなんか嫌!な人は、オリックスの個人Bプラン、dカーシェア、エニカを選択した方が良い。なお、月額固定料金の有無による違いは、固定料金がない分こちらの方が時間料金が高くなる。
次に実際の使用時間に応じた時間料金・距離料金を確認する。
時間料金・距離料金
サービス名 | 15分ごと | 6時間パック | 12時間パック | 24時間パック | 距離料金 |
タイムズ | 206円 | 4,020円 | 6,690円 | 8,230円 | 16円/km ※6時間超のみ |
オリックス 個人Aプラン |
200円 | 3,500円 | 4,500円 | 6,000円 | 15円/km |
オリックス 個人Bプラン |
300円 | 5,250円 | 6,750円 | 9,000円 | 15円/km |
カレコ | 130円 ※カレコのみ10分ごと |
3,800円 | 5,300円 | 6,800円 | 15円/km ※6時間超のみ |
dカーシェア | 220円 | 4,200円 | 6,500円 | 8,000円 | 15円/km ※6時間超のみ |
エニカ | 不可 | 2,000円 ~ ※オーナー次第 |
なし |
※料金は一番基本的なクラスを参照し、オリックスはポイント優待を考慮していない。
大手だと6時間未満の利用ならカレコ、6時間以上の利用ならオリックスがお得
時間料金のシステムは利用時間ごとに課金される仕組みで、カレコは10分ごとに、それ以外の会社は15分ごとに料金の計算が行われる。エニカは個人間カーシェアリングであり、1日単位での貸出が基本。
距離料金は走行距離に応じてかかる料金で、同じ時間でも走行距離が長いユーザー程料金がかかる仕組みだ。1回の利用にかかる費用は、この時間料金+距離料金で算出される。
料金の傾向に関しては、最大手のタイムズは最も時間料金が高くなる一方、一見オリックスの個人Aプランは最も安い料金水準となっているように見える。
ただし、オリックスはどの時間帯においても距離料金が取られることに注意。そのため、6時間以内の利用で済む場合は距離料金がないカレコが最もお得になり、6時間超の利用ならオリックスが最も安い。
月額料金不要ならdカーシェア、個人間シェアのエニカが最安値となるケースも
月額料金不要のオリックスの個人Bプランとdカーシェアで比較すると、dカーシェアの方が安い。dカーシェアはドコモが運営しているが、実は車両はオリックスカーシェアのものを使う。
つまり、ステーションや車両等の制約は全く同じなので、オリックスの個人Bプランに入るくらいならdカーシェアを利用した方が料金が安く済むことに注意しよう。
なお、個人間のカーシェアで問題ないなら、居住地域のオーナー次第だが、1日の貸出料金が2,000円台の料金設定をしている人もいる。特に都市部の在住者ならこちらを利用してみても良いかもしれないが、エニカは高級車が多く2,000円台の料金設定は多くない。
また、上記の内容の他、エニカは保険料が別途1,800円かかるため、上記の表通りの表通りにならない可能性には十分に注意したい。
ケース別の料金シミュレーション
表や文章で書かかれても分からないという人のために、いくつかのケースごとに1月の総コストを算出してみた。自分の使用パターンに最も近いケースが実際にかかる料金のイメージとして参考にして欲しい。
なお、当然ながらここでは各社とも最安値クラスを選択するものとし、ステーション数等は一切考慮していない。
①週に2回ほど子供の送り迎えのために1時間ちょい乗りするケース
サービス名 | 月額料金 | 時間料金 | 距離料金 | ガソリン代・保険料 | 合計/月 |
タイムズ | 1,030円 | 5,562円 | – | – | 6,592円 |
オリックス 個人Aプラン |
980円 | 5,420円 | 2,400円 | – | 8,800円 |
オリックス 個人Bプラン |
無料 | 9,600円 | 2,400円 | – | 12,000円 |
カレコ | 980円 |
5,260円 | – | – | 6,240円 |
dカーシェア | 無料 | 7,040円 | – | – | 7,040円 |
エニカ | 無料 | 24,000円 | – | 15,360円 | 39,360円 |
※走行距離は1回で20km、ガソリン代は1kmで6円。エニカは24時間で3,000円の車両で、ガソリン代自己負担を前提。
まず、短時間のちょい乗りが多いユーザーはカレコの利用が一番得をする。次にタイムズ、dカーシェアが続く。前述の通り、短時間の利用の場合は、距離料金が利用時間に関係なくかかるオリックスカーシェアは不利だ。
②毎週末に6時間パックを使ってショッピングに利用するケース
サービス名 | 月額料金 | 時間料金 | 距離料金 | ガソリン代・保険料 | 合計/月 |
タイムズ | 1,030円 | 15,050円 | – | – | 16,080円 |
オリックス 個人Aプラン |
980円 | 13,020円 | 4,200円 | – | 18,200円 |
オリックス 個人Bプラン |
無料 | 21,000円 | 4,200円 | – | 25,200円 |
カレコ | 980円 |
14,220円 | – | – | 15,200円 |
dカーシェア | 無料 | 16,800円 | – | – | 16,800円 |
エニカ | 無料 | 12,000円 | – | 8,880円 | 20,880円 |
※走行距離は1回で70km、ガソリン代は1kmで6円。エニカは24時間で3,000円の車両で、ガソリン代自己負担を前提。また、月額基本料金があるプランでは、距離料金から同額を差し引いて算出。
週末に家族でよくお出かけするパパ・ママは要チェックしたいケースだが、やはり6時間で以内で利用するならカレコの利用がオススメだ。
なお、毎週末に1回程度ならタイムズとdカーシェアはそれぞれカレコより800円、1600円ずつ高くなるだけなので、これぐらいなら気にならない人は、駐車場の利便性が高いを選べば良いだろう。
ちなみに、3000円台の格安で貸してくれるオーナーがいるのであれば、エニカもそこそこ使いやすくなってくる。個人間の貸し借りに抵抗がないなら近場で探してみると案外使い安い車見つかるかもしれない。
③月に1回くらい1泊2日の旅行で36時間ほど利用するケース
サービス名 | 月額料金 | 時間料金 | 距離料金 | ガソリン代・保険料 | 合計/月 |
タイムズ | 1,030円 | 9,970円 | 8,000円 | – | 19,000円 |
オリックス 個人Aプラン |
980円 | 9,520円 | 7,500円 | – | 18,000円 |
オリックス 個人Bプラン |
無料 | 14,250円 | 7,500円 | – | 21,750円 |
カレコ | 980円 |
11,120円 | 7,500円 | – | 19,600円 |
dカーシェア | 無料 | 14,500円 | 7,500円 | – | 22,000円 |
エニカ | 無料 | 6,000円 | – | 4,800円 | 10,800円 |
※走行距離は1回で500km、ガソリン代は1kmで6円。エニカは24時間で3,000円の車両で、ガソリン代自己負担を前提。また、月額基本料金があるプランでは、距離料金から同額を差し引いて算出。
一泊二日の旅行であれば、36時間程度借りておけば余裕だが、この水準になってくるとオリックスが最も安くなる。一方で、人によってはエニカの場合断然安く済ませることができるので、これも検討対象にしておこう。
なお、これぐらい長時間になる場合は、車種次第だが素直にレンタカーを使った方が安くなることが結構多い。カーシェアは距離料金がかかるため、特に長距離を運転する時はレンタカーを必ずチェックしよう。
カーシェアリングは、基本的に24時間以内の利用で走行距離が長くない場合がオススメだ。
料金プランに関するまとめ
- 大手3社は月額基本料金のあるプランへの加入が基本。使う頻度が限られる場合は、月額料金のないdカーシェアを利用しよう。
- 週末のショッピング等のように6時間以内の利用が多いならカレコがオススメ。
- 24時間を超えるような長時間の利用ならオリックスが強いが、走行距離が結構長い場合は素直にレンタカーを借りるべし。
- 近くに格安で貸してくれるオーナーがいるならエニカも確認するとお得になるかもしれない。ただし、別途加入する保険料がかかる点には注意。
ステーション数
料金プランの高安に加え、カーシェア選びでもう一つ重要な観点が自分にとって便利なところにカーシェアリングのステーションが存在するかどうかだ。いくら料金が安くても、遠いところにしかステーションがないと意味がない。
こうしたステーション数から選ぶには、アプリや公式ページから自分の住所近辺を検索して探すのが一番だが、まず都道府県別にどれくらいのステーション数があるのか大枠を確認したい。
※なお、dカーシェアはオリックスの車両を使うため、オリックスと同様。2018年2月時点の調査に基づく。
事業者ごとの都道府県別ステーション数
都道府県名 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ | エニカ |
北海道 | 212 | 39 | ||
青森県 | 5 | 7 | ||
岩手県 | 13 | 3 | ||
宮城県 | 149 | 22 | ||
秋田県 | 7 | 4 | ||
山形県 | 11 | 8 | ||
福島県 | 16 | 11 | ||
茨城県 | 32 | 2 | 23 | |
栃木県 | 30 | 28 | ||
群馬県 | 16 | 21 | ||
埼玉県 | 431 | 47 | 36 | 194 |
千葉県 | 490 | 61 | 40 | 201 |
東京都 | 3,177 | 994 | 1,150 | 1,148 |
神奈川県 | 1,065 | 177 | 160 | 425 |
新潟県 | 24 | 17 | ||
富山県 | 13 | 6 | ||
石川県 | 25 | 7 | ||
福井県 | 4 | 6 | ||
山梨県 | 6 | 8 | ||
長野県 | 11 | 13 | ||
岐阜県 | 27 | 3 | 18 | |
静岡県 | 30 | 4 | 67 | |
愛知県 | 391 | 79 | 1 | 184 |
滋賀県 | 64 | 1 | 17 | |
京都府 | 395 | 36 | 14 | 44 |
奈良県 | 78 | 6 | 18 | |
三重県 | 16 | 5 | 11 | |
和歌山県 | 19 | 7 | ||
大阪府 | 1,889 | 193 | 136 | 211 |
兵庫県 | 655 | 42 | 28 | 108 |
鳥取県 | 3 | 2 | ||
島根県 | 4 | 5 | ||
岡山県 | 103 | 1 | 14 | |
広島県 | 239 | 25 | ||
山口県 | 18 | 8 | ||
徳島県 | 1 | 4 | ||
香川県 | 14 | 7 | ||
愛媛県 | 20 | 13 | ||
高知県 | 3 | 3 | ||
福岡県 | 384 | 85 | ||
佐賀県 | 2 | 9 | ||
長崎県 | 23 | 10 | ||
熊本県 | 68 | 15 | ||
大分県 | 25 | 3 | ||
宮崎県 | 10 | 7 | ||
鹿児島県 | 61 | 3 | ||
沖縄県 | 49 | 21 | 1 | 32 |
合計 | 10,342 | 1,671 | 1,567 | 3,120 |
※各社開示情報に基づく独自調査。2018/2時点
地方にも強い全国展開のタイムズ
ステーション数の傾向を見てみると、圧倒的に強いのがタイムズだ。日本全国で駐車場を展開しているため、車が借りられるステーション数は他社比で圧倒的な多さだ。
ステーションが傍に無いと非常に不便なため、まずはタイムズカーシェアで身近な所にステーションがあるのか確認するのが良いだろう。また、日本全国にあるという意味では、エニカも同様だ。
これは個人間のカーシェアであるため、ステーション数=車両数と読み替えてくれれば良い。都市部以外のユーザーの選択肢は実質的にタイムズ及びエニカの2択となる。
東京、大阪、神奈川ならオリックス・dカーシェアやカレコも選択肢
東京・大阪・神奈川等の都市部に済む人ならオリックスやカレコも使うことが可能になる。特にカレコは東京23区におけるステーション数が豊富なので、23区内に住む人なら案外自宅の近くにあることも。
一方、オリックスも東京に関してはややカレコに劣る一方、大阪や愛知等ではカレコよりも積極的にステーション展開している所に特徴がある。
カーシェアに挑戦する際にはこうした特徴を踏まえつつ、まずは自分の住所の傍にカーシェアステーションの設置があるか確認しよう。
タイムズが必ずしも正解ではない。常に予約で一杯の可能性も
ちなみに、カーシェアリングは月額会費がかかるので、何社も契約するのは得策ではない。そのため、ここまでの情報に基づくと、とりあえずタイムズを契約しておけば良いんじゃないのと思いがちだが、必ずしもそうではない。
以下は少し古いが、会員数やステーション数データだ。
項目 | タイムズ | オリックス | カレコ |
会員数 | 783,282 | 170,050 | 57,058 |
ステーション数 | 9,091 | 1,531 | 1,159 |
車両数 | 17,492 | 2,600 | 1,761 |
1ステーションあたりの会員数 | 86人 | 111人 | 49人 |
1車両あたりの会員数 | 44人 | 65人 | 32人 |
(出典)交通エコロジー・モビリティ財団、2017/3時点の統計データ
カーシェアリングは他の会員と車両をシェアするサービスであるため、当然ながらステーションや車両数あたりの会員数が多いほど取り合いになる可能性がある。
特に多くの人が使いたい土日の場合、前もって予約しておかないと日中は予約で一杯なんてことがよくある。
データを見てみると、オリックスステーション・車両数あたりの会員数が最も多く、場所によっては他の会員と競合する可能性が高いと解釈できる。一方で、カレコはステーション・車両数あたりの会員数が少ないため、データ上では予約で混む可能性が最も低い。
例えば、都市部ユーザーで近場にステーションがある人なら、カレコを選んだ方が利用しやすいかもしれない。
ステーション数に関するまとめ
- ステーション数はタイムズが圧倒的。都内以外ならまず最寄りにあるのはタイムズの可能性が高いので確認してみよう。
- 都市部在住ならオリックスやカレコも要チェック。総数は少ないものの、案外近場にあったりする。
- ステーション数の多いほど車を利用しやすいが、会員数が多いと常に予約で一杯になる可能性に注意しよう。
提供車種
最も重要な料金やステーションさえ確認できれば、後は個々人が求めるサービスによってカーシェアリング業者の優先順位が変わるだろう。
私の場合は3人家族であるため、基本的には走れば車両はなんでも良いというタイプだ。しかし、例えばよく大人数でアウトドアに出かける場合や彼女とのデートにちょっと高級な車を使いたいなんて人は、乗ることができる車種にも拘りがあるはず。
ここでは、各社で提供されている車両数や車種について確認してみたい。
事業者ごとの提供車種(タイムズ・オリックス・dカーシェア・カレコ)
乗車人数 | 都道府県名 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ |
2名乗り | ロードスター(MAZDA) | 3 | ||
3名乗り | NV350キャラバン(NISSAN) | 11 | ||
4名乗り | ハスラー(SUZUKI) | 4 | ||
N-BOX(Honda) | 388 | 30 | ||
ウェイク(DAIHATSU) | 388 | |||
i-MiEV(MITSUBISHI) | 4 | 1 | ||
スマート(Smart) | 18 | |||
MINI One(BMW) | 10 | |||
5名乗り | インプレッサ(SUBARU) | 546 | ||
スバルXV(SUBARU) | 67 | 151 | ||
レヴォーグ(SUBARU) | 2 | |||
MINI One CROSSOVER(BMW) | 188 | |||
インサイト(Honda) | 184 | |||
ヴェゼル(Honda) | 30 | 45 | ||
フィット(Honda) | 1,620 | 537 | 242 | |
フィットシャトル(Honda) | 362 | |||
C-HR(TOYOTA) | 29 | |||
アクア(TOYOTA) | 1,655 | 263 | ||
ヴィッツ(TOYOTA) | 699 | 8 | 76 | |
カロータアクシオ(TOYOTA) | 45 | |||
カロータフィールダー(TOYOTA) | 775 | |||
タンク(TOYOTA) | 9 | |||
パッソ(TOYOTA) | 81 | |||
ハリアー(TOYOTA) | 73 | |||
プリウス(TOYOTA) | 109 | 348 | 237 | |
レクサス(LEXUS) | 7 | |||
ADバン(NISSAN) | 2 | |||
LEAF(NISSAN) | 1 | 9 | 1 | |
NV200バネット(NISSAN) | 94 | |||
エクストレイル(NISSAN) | 9 | 39 | ||
ノート(NISSAN) | 3,402 | 60 | 778 | |
マーチ(NISSAN) | 279 | |||
ラティオ(NISSAN) | 30 | |||
スイフト(SUZUKI) | 1,662 | 1 | 1 | |
スプラッシュ(SUZUKI) | 25 | |||
ソリオ(SUZUKI) | 3,131 | |||
CX-5(MAZDA) | 123 | 167 | ||
アクセラ(MAZDA) | 56 | |||
デミオ(MAZDA) | 2,184 | 185 | ||
A1(Audi) | 16 | |||
A3(Audi) | 1 | |||
A180(Mercedes-Benz) | 21 | |||
A250(Mercedes-Benz) | 2 | |||
B180(Mercedes-Benz) | 8 | |||
CLA180(Mercedes-Benz) | 21 | |||
CLA220(Mercedes-Benz) | 1 | |||
GLA180(Mercedes-Benz) | 19 | |||
6名以上 | ステップワゴン(Honda) | 70 | ||
フリード(Honda) | 570 | 87 | 204 | |
ヴォクシー(TOYOTA) | 29 | 106 | ||
アルファード(TOYOTA) | 10 | |||
エスクァイア(TOYOTA) | 19 | |||
キャンピングカー(TOYOTA) | 1 | |||
シエンタ(TOYOTA) | 629 | 54 | ||
ノア(TOYOTA) | 91 | |||
セレナ(NISSAN) | 171 | 37 | ||
プレマシー(MAZDA) | 770 | |||
V220(Mercedes-Benz) | 5 |
※2018年3月時点の各社公表データ
ここで掲載されている数字は、各々の車両が設置されているステーションの数だ。事例は多くないが、同じステーションに同じ車種が設置されている場合、何台置いてあっても1台でカウントしている。次にエニカを確認する。
エニカの提供車種
国 | メーカー・ブランド名 | 貸出車両数 |
日本 | LEXUS | 104 |
TOYOTA | 696 | |
NISSAN | 301 | |
Honda | 291 | |
MAZDA | 202 | |
Eunos | 6 | |
MITSUBISHI | 55 | |
SUBARU | 152 | |
DAIHATSU | 85 | |
SUZUKI | 91 | |
MITSUOKA | 4 | |
ISUZU | 3 | |
ドイツ | メルセデス・ベンツ | 175 |
AMG | 10 | |
メルセデスAMG | 9 | |
スマート | 6 | |
BMW | 322 | |
BMWアルピナ | 3 | |
アウディ | 132 | |
フォルクスワーゲン | 119 | |
ポルシェ | 89 | |
ヨーロッパフォード | 1 | |
イエス! | 1 | |
イギリス | ジャガー | 16 |
ランドローバー | 18 | |
MG | 1 | |
MINI | 63 | |
ローバー | 9 | |
モーリス | 1 | |
ロータス | 8 | |
モーガン | 1 | |
ケータハム | 1 | |
アストン・マーティン | 1 | |
イタリア | フィアット | 22 |
アバルト | 6 | |
ランチア | 3 | |
アルファロメオ | 36 | |
フランス | ルノー | 8 |
プジョー | 41 | |
シトロエン | 15 | |
スウェーデン | ボルボ | 47 |
米国 | キャデラック | 8 |
シボレー | 11 | |
サターン | 1 | |
ハマー | 3 | |
リンカーン | 3 | |
フォード | 19 | |
クライスラー | 8 | |
クライスラー・ジープ | 56 | |
ダッジ | 4 | |
AMC・ジープ | 1 | |
テスラ | 17 | |
アキュラ | 1 | |
米国トヨタ | 1 | |
南アフリカ | バーキン | 1 |
※2018年3月時点のエニカ登録数
エニカは個人による貸し出しのため、車種は600以上にもなる。これでは数が多すぎるので、メーカー・ブランドごとに集計してみた。なお、エニカの場合は、数字=車両の数だ。
提供車両のメーカー別占率
さて、これらのデータからサービスごとに提供車種の特徴が見えてくる。国内主要メーカー及び外国車別にサマリーすると以下のような結果となる。
メーカー名 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ | エニカ |
SUBARU | 3.2% | 0% | 6.3% | 4.6% |
Honda | 13.3% | 49.4% | 21.4% | 8.9% |
TOYOTA | 20.9% | 25.8% | 25.2% | 21.2% |
LEXUS | 0% | 0% | 0.3% | 3.2% |
NISSAN | 19% | 16.5% | 33.6% | 9.2% |
MITSUBISHI | 0% | 0% | 0% | 1.7% |
DAIHATSU | 2% | 0% | 0% | 2.6% |
SUZUKI | 24.7% | 1.0% | 0% | 2.8% |
MAZDA | 15.8% | 7.2% | 9.3% | 6.1% |
海外メーカー | 1.1% | 0% | 3.9% | 39.9% |
国産大衆車の多い主要事業者と外車・高級車の豊富な個人貸借
タイムズの提供車両で最も多いのはスズキの車両でソリオが最も多い。このソリオは、他の競合は全く提供していないにもかかわらず、タイムズカーシェアだけやたら多い理由は何だろうか。タイムズはスズキ以外のメーカーも満遍なく扱っているところに特徴がある。
次にオリックス・dカーシェアでは、ホンダ車がおおよそ半数を占める。最も提供が多いのはフィットだ。フィットはコンパクトカーの定番でレンタカーでも定番の車両だ。オリックスは提供車種のメーカーの幅が狭く、トヨタ・ホンダ・日産・マツダが大半で唯一外車を扱っていないところも特徴的だ。
カレコもオリックス同様にトヨタ・ホンダ・日産・マツダが大半を占めるが、主要カーシェア事業者で最も高級車や外車の占率が大きい。個人間の貸し借りは嫌だけど、レクサスやベンツ等の高級車に乗ってみたいならカレコで近くにあるか探してみると良い。
最も特徴的なラインナップなのがエニカだ。エニカの場合、事業者によるカーシェアでは供給されていない高級車や外車のラインナップが豊富にある。外車の占率は全体の4割にもなる。
確かに、国産車ならタイムズやカレコ等で簡単に借りられるのに、敢えて個人間貸借で借りようという人は少ないのだろう。エニカは、こういった主要カーシェア事業者では対応できない「高級車や外車を気軽に借りたい」というニーズを個人間貸借のプラットフォームを提供することで満たしている。
提供車種に関するまとめ
- 事業者によっても借りられる車種は全然違う。メーカーに拘りがある場合は、事前によく確認しておこう
- 高級車や外車は主要カーシェア事業者では殆ど対応していないので、必要ならエニカを使ってみよう
給油・洗車システム
カーシェアのシステムでは、事業者によるものでは基本的に利用料にガソリン代等は冒頭の料金にコミコミだ。そのため、ガソリンが無くなって仮に給油したとしてもガソリン代という名目で別途料金が徴収されることはない。
これは洗車も同様で、カーシェアの車は定期的に業者が洗車を行ってくれているが、ユーザー自身が洗車を行うこともでき、勿論これも料金に含まれている。
ただし、これらの作業は予約時間中にやらざるを得ないため、進んでやりたがる人は少ない。事業者によるカーシェアサービスの場合、ユーザーの誰かがやってもらう必要があるため、業者ごとに作業者の料金を少し安くするなど一定のディスカウント対応を行っている。
ここでは、こうしたシステムについて簡単にまとめてみよう。
給油の仕方と割引適用の有無
項目 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ | エニカ |
給油方法 | 専用カードで20リットル以上給油 |
専用カードで給油 | 専用カードで10リットル以上給油 | 自分で給油 |
給油割引 | 15分の料金(206円)無料 ※自動適用 ※パック料金適用時は対象外 |
15分の料金(200円)無料 ※自分で申請 ※パック料金適用時は対象外 |
300円分のクーポン ※自動適用 |
特になし |
※2018/3時点
各社の給油システムは似ているようで微妙に異なっている。
タイムズでは20リットル以上の給油が行われた場合、15分相当の料金が無料になる。ただし、パック料金適用時には割引は適用されないので注意しよう。給油は自動で検知されて割引が行われる。
オリックス・dカーシェアではタイムズ同様に給油を行えば15分相当の料金が無料になる。ただし、オリックス・dカーシェアの場合は、自分で都度申請せねばならず、申請を忘れてしまうと割引は適用されないので注意しよう。
主要事業者の中では、カレコの給油システムが最もユーザーフレンドリーだろう。10リットル以上の給油を行えば、300円分のクーポンがプレゼントされ、給油割引も自動で適用される。
洗車の仕方と割引適用の有無
項目 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ | エニカ |
洗車方法 | 電話をして専用カードで洗車 |
専用カードで洗車 | 専用カードで洗車 | 自分で洗車 |
給油割引 | 15分の料金(206円)無料 ※自動適用 ※パック料金適用時は対象外 |
割引適用なし | 500円分のクーポン ※自動適用 |
特になし |
※2018/3時点
カーシェアの車は定期的にスタッフがメンテナンスの一貫で洗車をしてくれている。ただし、さほど頻繁ではないため、前のユーザーの利用の仕方が悪いと、車体が結構汚れていることもまれにある。
例えば、彼女とのデート等でカーシェアを利用する場合、少でも車が汚れていると気になるだろう。そうしたケースでは、車載の専用カードを利用して洗車することができる。
洗車のシステムに関しては、カレコが500円のクーポンが貰える等ダントツにお得になっている一方、オリックスは割引の適用がされないので注意。
いつ給油・洗車すべきか?
主要な事業者のカーシェアサービスでは上記のようにいくつかの割引制度があるが、勘違いしてはいけないのは貴方が元々支払っている料金に対して割引が適用されているだけであるということだ。
当然ながら給油や洗車の間は車を使用できない。つまり、割引自体は車両使用が拘束されている代償みたいなものであり、お得でも何でもない。
マナーの観点からガソリンを大量に消費したり、車を汚してしまった場合は進んで給油・洗車を行う必要がある。ただし、それ以外なら給油・洗車は、例えば5時間予約したのに用事が3時間で済んで2時間余ってしまった時ぐらいにしてこう。
このような場合は、何もしなくても2時間分の料金が余計に取られるが、その間に給油や洗車を一緒にしてしまえば、カレコの場合は800円分も取り戻すことができるので有効に活用したい。
なお、表にも記載しているが、タイムズやオリックスはパック料金適用時には割引が適用されないため注意。
給油・洗車システムに関するまとめ
- 給油や洗車は時間を取られるが、予約時間が余った時等には割引で一部が取り戻せるので有効に活用しよう
- タイムズやオリックスではパック料金が適用されていると割引が得られないので注意
チャイルドシート・ジュニアシート
小さな子供がいる家庭では、カーシェアリングを利用するための大きいハードルの1つとしてチャイルドシートがある。
6歳未満の児童が乗車する場合は、チャイルドシートの着用を義務付けられている。我が家のように恒常的にカーシェアリングを利用する人は、いっそのことチャイルドシートを購入し、乗車の度に設置するのが良いだろう。そうすれば、全ての車を使用できる。
ちなみにうちでは、家庭での通常利用と実家での利用を目的にチャイルドシートを2台保有しているが、いずれもシートベルトで止めるタイプであり、付け外しは簡単。女性でも落ち歩ける軽さだ。値段も手ごろで、ほぼすべての車に設置することができるだろう。
各社のシート配備状況
一方で、たまにしか乗らない人にとっては、チャイルドシートをわざわざ購入するのは躊躇するかもしれない。そんな人はチャイルドシートの設置があるサービスを利用すると良い。
カーシェアリングでは、4-10歳児向けのジュニアシートは大抵の車に常備されているが、チャイルドシートはそこまで多くない。主要な事業者の配備状況を確認してみた。
項目 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ | エニカ |
ジュニアシート | 全車常備 | 全車常備 | 全車常備 | オーナー次第 |
チャイルドシート | 設置なし | 設置なし | ・52台常備 ・全国の三井のリハウスで貸し出し |
オーナー次第 |
※2018/3時点
個人間貸借であるエニカを除けばタイムズ・オリックス・dカーシェア・カレコはいずれもジュニアシートを1つずつ搭載している。一方で、4歳未満向けのチャイルドシートに関しては、カレコのみ対応している。
常備している車は全国で52台とそこまで多くはなく、自分の近くのステーションにあればラッキーぐらいの確率だ。それよりもカレコの良いところは、全国にある三井のリハウスの店舗で別途借りられることだ。
都市圏住まいなら普段の生活で車を使うことは少ないだろうが、大きな買い物や少し遠出のお出かけでどうしても車が必要になることも多いだろう。そういった小さなお子様持ちのパパ・ママにはカレコはオススメだ。
チャイルドシート・ジュニアシートに関するまとめ
- 主要な事業者ではチャイルドシートの配備は多くないので、利用頻度が高い場合は、簡単に取り外しのできるタイプを購入してしまおう
- たまにしか使わない小さいなお子様持ちの人は、カレコが利便性が高い
事故対応・補償
主要事業者が提供するカーシェアリングサービスでは事業者自身が自動車保険に加入しているため、ユーザー自身が別途保険に加入する必要はない。ユーザーのカーシェアリング利用料には保険料も含まれている(エニカのみ保険は別途1,800円/1日支払って加入)。
ただし、事業者によって補償内容に違いがあり、どういった状況なら補償が適用されるのか事故が起きてから調べるのでは遅すぎる。きちんと事業者ごとの補償内容を把握しておこう。
各社の補償内容
項目 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ | エニカ |
対人補償 (他人を死亡させたりケガさせた時の補償) |
無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
対物補償 (相手の車や電柱等等他人の物を壊した時の補償) |
無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
車両補償 (事故で自分の車が壊れた時の補償) |
車両時価額 | 車両時価額 | 車両時価額 | 復旧費用を補償 300万円まで |
人身傷害補償 (自分や同乗者が事故で傷害や後遺障害等を負った時の補償) |
損害額(無制限) | 3,000万円まで | 6,000万円まで | 1,000万円 |
ロードサービス | 有料付帯309円 ・事故時のNOC免除 ・キー閉じ込み ・バッテリー上がり ・スペアタイヤ交換 ・緊急の燃料お届け ・レッカー移動 |
無料付帯 ・キー閉じ込み ・バッテリー上がり ・スペアタイヤ交換 ・緊急の燃料お届け |
無料付帯 ・キー閉じ込み ・バッテリー上がり ・スペアタイヤ交換 ・緊急の燃料お届け |
無料付帯 ・キー閉じ込み ・バッテリー上がり ・スペアタイヤ交換 ・緊急の燃料お届け |
補償内容に関しては、各社ともほぼ同等の内容となっている。唯一、タイムズのみがロードサービスについて有償となっており、実費負担をしたくない人は、TCP安心補償サービスを別途利用する必要がある。
なお、タイムズは一見競合サービスと比べやや補償関連サービスが劣後しているように見えるが、TCP安心補償サービスはNOC(Non Operation Charge)も免除となっている。
他の会社では事故で車が使えなくなった場合、およそ2-5万円ぐらいのNOCを請求されるため、必ずしも悪い訳ではない。感覚的には、毎回300円ほど支払うため、100回ぐらい利用して1回事故を起こすぐらいの人は、TCP安全補償サービスを付けた方が良い計算になる。
事故対応・補償に関するまとめ
- 事故における基本的な補償の内容はいずれの業者も大差ない
- ただし、タイムズではロードサービスの費用負担会費には別途オプションが必要になる他、エニカは保険料が別途必要になることに注意
ドライブレコーダー
最近よく売れているカー用品の1つがドライブレコーダーだ。煽り運転や貰い事故等の時に自分の正当性を証明するものとして、必須になりつつある。
1・2万円支払うのをけちって万一の事故で過失割合が大きくなってしまい多大な賠償金を支払ってしまっては全くお金の無駄だ。安価でしっかり撮影できる製品も増えているため、1台は購入しておきたいところ。
私は自宅と実家で上の2台を購入したが、つけ外しも楽で使いやすい。それほど高くないが、問題なく撮影できている。
ただ、カーシェアリングではたまにしか使わないからドライブレコーダーまで買いたくない人も多いだろう。主要なカーシェアリング業者のドライブレコーダー配備状況はどうなのか調べてみた。
項目 | タイムズ | オリックス dカーシェア |
カレコ | エニカ |
現在の配備状況 | 一部車両 | 一部車両 | 一部の車両(100台以上) | オーナー次第 |
今後の配備予定 | 非開示 | 非開示 | 全社に設置予定 | オーナー次第 |
結論としては、カーシェアリングサービスでは、現在のところドライブレコーダーの設置は限定的だ。
昨今ドライブレコーダーの重要性が認知されだしたこともあり、カレコ等は全車両に搭載する胸のリリースを出す等積極的な対応を行っているが、現状では搭載車両数は少ない。
結論として、自分の身を守るためにはカーシェアにおいては、自己で購入するのが最も正解と言えるだろう。
ドライブレコーダーに関するまとめ
- カーシェアリングサービスでは、ドライブレコーダーは普及の過渡期。現状は気軽につけ外しできるタイプのものを購入して、利用時に取り付けるスタンスでいこう。
各社公式サイト
各社の特徴をざっとまとめてみた。気になる項目については、各社の公式サイトで確認できるので確認してほしい。