2018年の相場で最も上昇した米国のいけてるETFランキング15

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前回米国のETFのうち、あかんETFを調べコモディティや新興国のETFが軒並みパフォーマンスを落としていたのが分かりました。

昨年は相場が大荒れする中、これらのリスクが高い資産が相対的に売られる結果となったことは、正直仕方がないですね。

ただし、そこで気になってのがその逆側。

どんなETFのパフォーマンスが伸びたのか?

あんな大荒れ相場でもパフォーマンスの良かったETFがある訳ですが、はたしてどんなETFのリターンがトップに来るのでしょうか?

同じETF.comの特集記事を基に、ベストパフォーマーとなったETFのうち、更に上位の銘柄について確認してみたいと思います。

2018年のベストETFランキング15

やはりワーストランキングのリターンの絶対値と比較すると低く抑えられています。この中から、上位5銘柄について拾い上げ、傾向を深堀してみます。

NIB:iPath ブルームバーグカカオサブインデックストータルリターンETN

名称iPathブルームバーグカカオサブインデックストータルリターンETN
ティッカーNIB
2018年のリターン23.05%

えー、これが1位・・・。1位は以外にもカカオの価格に連動する指数にトラックするETNで+23.05%でした。

根拠法や組成方法が違うため、厳密にはETNはETFとは異なりますが、同様に市場で売買でき、対象資産にトラックできる証券として、集計されています。

カカオ豆ですが、2018年当初は供給過剰が指摘され、大きく値を下げていましたが、値下がりを受けて収穫高が減少したため、半ばごろから逆に供給不足が指摘されるようになり、値上がりが顕著となっています。

チョコレートに対する需要は引き続き高い水準が見込まれる中、国際機関の推計では、2018年と2019年には2008年以降でもっとも逼迫するようです。

とにもかくにも意外すぎますね。こんな銘柄個人投資家で触っている人いるのか・・・・?

QAT:iシェアーズ MSCIカタール ETF

名称iシェアーズ MSCI カタールETF
ティッカーQAT
2018年のリターン20.07%

2位はまたもや意外なところで、MSCIカタールにトラックするETFで、残高も60億円程度しかない超小規模ETF。

昨年原油市況が悪化する中、そこまで多くないものの一定量の原油を生産し、もろ原油に依存する中東国家の1つなので、この国のETFがまさかベストパフォーマーに来るとは。

実はカタールは天然ガスに強く、天然ガスの埋蔵量は世界第3位かつ、LNGの輸出国としては世界1位です。

で、原油価格は結構下がっていたんですが、天然ガスは比較的底堅く市況が推移しています。カタール株が買われたのは、こうした要因も寄与しているかもしれません。

ちなみに、カタールはOPECからも脱退し、今後は更にLNGに注力すると見られています。

PALL:アバディーン・スタンダード・フィジカル・パラジウム ETF

名称アバディーン・スタンダード・フィジカル・パラジウムETF
ティッカーPALL
2018年のリターン17.23%

こんなの誰も想像できないのではないでしょうか。3位のETFは、パラジウムのスポット価格にトラックするPALLというETFで、17%の上昇でした。

パラジウムの主な用途としては、自動車の排ガス浄化触媒として使用され、ジュエリー等にも用いられる金属です。

このパラジウム、実は今需要に供給が追いついておらず、めちゃくちゃ価格が上昇しているんですね。

米国とロシアの関係悪化が進めば、制裁などによりロシアからの供給が更に縮小するという予想もあります。

青:パラジウム先物、ピンク:S&P500(出所)Yahoo Finace

例えば、昨年末の動きを見てもパラジウム先物の価格は、2018年8月から足元までなんと40%超の上昇・・・!これは凄い。

今後も引き続きパラジウム需要が強まる結果、さらに需給が引き締まるという見方もあり、今から投資してもでかい上昇が取れるかもしれません。

PSJ:インベスコ・ダイナミック・ソフトウェア ETF

名称インベスコ・ダイナミック・ソフトウェアETF
ティッカーPSJ
2018年のリターン16.38%

お、ここでやっとまともな株式のETFがでてきました。4位はインベスコがアクティブに運用するソフトウェア株式のETFです。2018年の上昇率は16.38%の上昇。

ソフトウェア関連として区分される米国企業のうち、30企業をリスクファクター、スタイル区分、バリュエーション等の分析に基づいて銘柄選択を行い運用します。

上位保有銘柄は、
Electronic Arts Inc. 、Intuit Inc.、 Take-Two Interactive Software, Inc. 、
Activision Blizzard, Inc. 、Citrix Systems, Inc. など。

EAは言わずと知れた著名ゲーム開発企業、その他の企業は上からクラウド会計ソフトの開発会社、ゲーム開発会社(代表作:グランド・セフト・オート)、ゲーム開発会社(代表作:コール・オブ・デューティ)、仮想化ソフト等の開発会社です。

これらのソフトウェア関連企業は、昨今の相場でのパフォーマンスはかなり優秀です。年末にもそれなりに下げましたが、それまでの上昇が大きく、プラスリターンを維持しました。

この5年でも年率換算リターンは、年15%を超過しており、ソフトウェア関連企業は、米国の内でも相対的に優秀なセクターと言って良いと思います。

IHI:iシェアーズ・メディカル・デバイスETF

名称iシェアーズ・メディカル・デバイスETF
ティッカーIHI
2018年のリターン15.46%

5位にランクインした銘柄も株式のETFで、iシェアーズの運用するETFのうち、医療用機器の製造会社及び販売会社の株式を組み入れた銘柄が上位となっています。なお、年間上昇率は15.46%

将来的に米国も寿命の長期化・高齢化が懸念される中、医療関係の投資は手堅いという見方がありますが、こうした見方に漏れず、昨年も堅調でした。

上位保有銘柄は、 Abbott Laboratories、 Medtronic plc、 Thermo Fisher Scientific Inc.、Danaher Corporation 、Becton, Dickinson and Company など。

これらの上位銘柄は、配当重視で投資する場合、結構入ってくる優秀な銘柄です。特にアボットは、45年連続で増配を行うなど、配当貴族銘柄としても有名。

先ほどのPSJがここ5年の年率リターンが15%程度でしたが、IHIは17%超と更に上回っており、長期で保有してもしっかりと稼いでくれます。

昨年のベストパフォーマーはコモディティ+ソフトウェア・ヘルスケア

ETFのリターン動向から読み解いた昨年の相場動向は、ワーストパフォーマー同様に一部のコモディティの値動きが激しくなる中、ソフトウェア企業や手堅いヘルスケア銘柄が上位となる相場でした。

ちなみに、6-10位はマーケットニュートラル、インターネット、サウジアラビア、天然ガス、北米ソフトウェアのETFとなり、天然ガス関係及びソフトウェアが強かったようです。

ただし、上位銘柄でもリターンの出方は結構異なっており、ソフトウェア関連は年末にかけての上昇で貯金ができていた影響で、年末の下落も深刻なダメージとはなりませんでした。一方、天然ガス関連は、比較的持続性のある上昇で、底堅い動きでした。

シーゲル本等でもヘルスケアセクターの強さは証明されていましたが、2018年も強さの発揮される相場でしたね。やはり医療は強いです。

これを機にこれらのETFを長期投資ポジションに検討しても良いかもしれません。

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